徹底した技術者優遇と海外展開…40人でも世界トップシェア、あの中小企業の秘密

Business Journal / 2018年9月7日 0時0分

 つまり、ナプソンの強みは確かな技術力であり、開発力だ。求められる技術を顧客に提供し続けることができるからこそ、顧客から必要とされ、結果的に生き残ることができたといえる。しかも、ナプソンは技術者らを縛り過ぎない方針を貫いている。信頼して、できるだけ任せているのだ。

「技術者と一言でいっても、機械系、電機系、ソフトウェア系、測定系、製造系など、それぞれ持ち場があって、それぞれのペースで仕事ができるように気を使っています。最終的には、結果に現れるわけですから、ある程度の管理をしつつ、普段は“自分の裁量で働きなさい”と言っているんですね」(中村氏)

 信頼して任せられるからこそ、技術者らは信頼に応えようと努力する。経営陣と技術者らとの信頼関係は、従業員の高いモチベーションにつながるのだ。

「商品は技術が基本です。製品のクオリティが高くなければ、企業は生き残れません。また、かりに装置を納めても、メンテナンスを含めて技術が伴わなければ、次回は買ってもらえないわけです。つまり、リピートを獲得するためにも、メンテナンス技術ももっていないとダメです。

 さらにいえば、製品を買ってもらう段階にたどり着くまでには、信頼関係を含めて、マーケティングも必須です。クオリティで勝っていても、コストの問題もあって買ってもらえないときだってありますからね。マーケティングは重要なんです」(中村氏)

 確かな技術と、その技術を顧客につなげるマーケティング力。その両方が備わっているからこそ、ナプソンは世界市場において比類ない競争力を保持しているのだ。

●商社に頼らない海外展開戦略

 ナプソンは、1992年以降現在にいたるまで黒字を続けている。その秘密は人材育成のほか、もう一点ある。国内市場だけでは生き延びていけないと考えたナプソンは、経営の安定を求めて海外に目を向けたからである。

 海外展開の推進役を務めたのが、当時、半導体関連企業でマーケティングを担当していた中村氏だった。中村氏がナプソンに入社したのは、88年。当時、社員は7~8人にすぎず、営業を専門に手掛ける社員は、彼を除いて一人もいなかった。中村氏は、ゼロから海外営業活動を開始した。

「英語は多少できたので、海外をやらせようということで声をかけられたんだと思います。学生時代にヨーロッパで8カ月くらいバックパッカーをしていたことがあって、海外には抵抗がなかった。狭い業界ですから、ナプソンの名前は知っていました。営業の経験はなかったんですが、会社は家から比較的近いし、やってみようかなと思って決めました」(中村氏)

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