ニコ動、1年でプレミアム会員36万人減少の衝撃…なぜユーザーが不満ぶちまけ始めた?

Business Journal / 2018年9月9日 16時0分

 何か事件が起こったら、世間からは『年端もいかない連中が好き勝手やっている、わけのわからないメディアだ』という印象を抱かれるでしょうし、仮に運営元が『ニコ動では有権者と政治家が対等に議論できる』みたいなことを主張しても、『果たして本当か』と白けてしまいますよね。メジャーになればなるほど常にリスクはつきまといますので、そこをコントロールするためのバランス調整が求められるということです」(同)

 なお、カドカワ自身は、ニコ動失速の原因に「システムの陳腐化による性能劣後」「会員減少のニュースが解約を助長」「定額制課金サービスの限界」を挙げている。このうち「定額制課金サービスの限界」については、先述したように“投げ銭”制度(都度課金)の導入によって打破を試みるようだが、これを井上氏はどうとらえるのか。

「“投げ銭”自体はよくある手法で、ネットでは多くの人々が試行錯誤してきています。古くは01年に開設された『1ch.tv』という掲示板サイトで、情報コンテンツの提供者に、1アクセス5~10円ほどの報酬を与える構想がありました。ニコ動も、ユーザーにタダで配信させるわけではなく、ちゃんと報酬を支払うのだというエコシステムを、目に見えてわかりやすいかたちでつくり上げたいのでしょう。

 ですが、昨今では『SHOWROOM』のような事例もあるにせよ、“投げ銭”の成功例はそこまで多いわけではなく、1ch.tvでも未遂に終わっています。それだけに、今回ニコ動が軌道に乗せることができれば、一つの武器になるのではないでしょうか。これが業績の立て直しに直結するとは断言できませんが、『やっぱりニコ動は、ネットならではのユニークな取り組みをするんだ』と、ユーザからのイメージ回復にはなりそうです」(同)

 ではニコニコ動画は今後、どのような未来をたどりそうか。

「結局ニコ動にとっては、“共通した趣味や嗜好を持っている人同士が、心ゆくまで楽しむためのメディア”という現在のポジションを保つことが、長く続けるための道なのだと思います。そうすれば運営元もユーザーも、画質などの技術的な部分は、さほど意識しなくて済みそうですからね。

 逆に、企業としての業績や規模の拡大を性急に追求してしまうようだと、数年後にメディアそのものが消滅するとまではいいませんが、少なくとも影響力を失うことになるでしょう。ひとまず落ち着いて深呼吸し、足元を見てみるという時期があってもいいのではないでしょうか」(同)

 ニコ動は今、原点回帰をするべきタイミングに差しかかっており、その判断こそが将来の命運を分けるのかもしれない。
(文=A4studio)

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