『獣になれない私たち』初回で露呈した3つの落とし穴

Business Journal / 2018年10月18日 18時0分

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『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)以来となる主演・新垣結衣×脚本・野木亜紀子コンビに対する期待値は、放送前から今秋ナンバーワンだった。

 連続ドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)1話が放送されてみると、まさに賛否両論。「新たなガッキーが見れた」「やっぱり野木さんのドラマはおもしろい」という称賛の声がある半面、「ガッキーはかわいいけど次は見ない」「野木さんらしくない」という否定的な声も少なくなかった。

 平均視聴率が11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に留まったことも含め、「否定的な声をあげた人の気持ちも理解できる」という内容だったのも事実だ。

 なぜ否定的な声があがったのか、3つのポイントから考察していく。

●野島伸司を彷彿させるハードな展開

 ひとつ目のポイントは、「見続けるのがつらくなる」ハードなシーンの多さ。マシンガンのように連射されるパワハラ、自分に非がないのに屈辱の土下座、追い打ちをかけるセクハラ、つらい過去を自ら言わされる、デリカシーのない恋人とその母親、電車に飛び込みそうになる……。

「今どき、こんなブラック企業ある?」「こんなパワハラ社長いる?」「こんな営業社員クビだろ?」「元カノと同居している恋人と4年もつき合う?」「家族の設定が悲惨すぎない?」

 現在の視聴者層には「なぜ?」が多かったのではないか。とりわけ、「獣になって戦えなくても、逃げ出すことくらいできるはず」と感じる若年層にとっては、「面倒くさいドラマ」に見えてしまうのかもしれない。

 また、1話から「ここまでやるか」というほどハードな展開を畳みかけたことに、スタッフ側の作為を感じて距離を取った視聴者もいるだろう。ハードが連鎖する展開は、前クール放送の『高嶺の花』(同)を手掛けた脚本家・野島伸司の書き口を彷彿させるものがあった。さらに、映像を『Mother』(同)、『Woman』(同)など社会派の作品に定評がある水田伸生監督が手がけたことも、視聴者によりハードな印象を与えた。

 終始、暗いシーンが続き、明るいシーンは新しい服と靴で出社し、社長に業務分担の改善要求書を突きつけたラストの数秒間のみだったのも、賛否が分かれた理由といえる。現在の視聴者は、「1話だから」といってじっと我慢を強いられることをよしとせず、相応のカタルシスを要求するからだ。

「獣になれない」とうたっているだけに、しばらくは我慢を強いられる展開が続くのではないか。心をざわつかせられるのが苦手な人は目を背けるタイプの作品だけに、大ヒットは難しいかもしれないが、そもそも企画の段階から、それは最重視していない感がある。

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