【Twitter投稿で戒告処分】言論の自由がない裁判官に、言論の自由についての判断ができるのか

Business Journal / 2018年10月24日 19時0分

写真

 裁判の当事者が、岡口基一判事のツイッター投稿で傷つけられたとして懲戒を申し立てていた「分限裁判」で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は、岡口氏を戒告処分とした。岡口氏のツイートは、自身が担当した裁判ではなく、ネットメディアに掲載されたペットに関する今どきの事件を紹介したものだったが、最高裁は「当事者の感情を傷つけた」とし、裁判所法が定める「品位を辱める行状」にあたるとした。

 分限裁判とは、裁判官の免官や懲戒を決める裁判で、高裁判事である岡口氏の場合は、上位裁判所である最高裁で裁かれる。最高裁の所管なので、上訴することはできない。裁判官分限法は審理の公開非公開を定めていない。今回、メディアが審問の傍聴希望を出したが認められず、非公開のまま行われた。

 それでも大手メディアでは、概ね最高裁の決定を肯定する論調だ。毎日新聞などは、本決定を報じる10月18日付の記事に、わざわざ「懲戒やむを得ず」との見出しをつけた解説を載せた。読売新聞も、裁判官に「高い倫理と自覚」を求める解説をつけている。

 一方、憲法学者や弁護士などの法律家からは、憲法で保障されている「言論の自由」の観点などから、多くの異論や批判が起きている。果たして、岡口氏のツイートは、懲戒処分に当たるようなものだったのか。

 発端となったのは、「人とペット共生」「犬や猫ともっと幸せに」をテーマにした、朝日新聞系のサイト「sippo」に掲載された、5月16日付の記事だった。執筆者は、朝日新聞の文化くらし報道部の太田匡彦記者。ペット関係の著書があり、動物愛護に貢献した人を表象する「川島なお美動物愛護賞」の今年の受賞者の1人でもある。今回の記事も、動物愛護の視点から書かれたものだった。

 タイトルは、「放置された犬を保護して飼育 3カ月後に返還要求、裁判に発展」。

 記事によれば、2013年6月の雨上がりの朝、東京・吉祥寺の公園の柵にリードでつながれていたゴールデンレトリバーを近くの主婦が見つけて保護。被毛は濡れ、おなかは泥まみれだった。警察に届けたが、殺処分されるのを恐れ、自分で飼うことにして連れ帰った。先住犬との相性もよく、かわいがって育てていた。

 ところが3カ月後、飼い主が名乗り出たと警察から連絡が入る。主婦が元の飼い主を名乗る女性に事情を聞いたところ、「会社の上司で交際相手でもある同居男性が犬嫌いで、彼が犬を公園に置いてきた。彼を怒らせれば職を失い、結婚も破談になってしまうと思い、何も言えなかった」とのこと。今はこの男性とは別れ犬を飼える環境になっており、「大切な家族だから返してほしい」と説明したという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング