「日本車は古い」中国で“ジャパンパッシング”が深刻化?猛烈なEV化に乗り遅れ

Business Journal / 2018年12月7日 12時0分

 中国では日本よりも、よりよい雇用条件を求めて転職するのは当たり前のようになっているので、北京地域の賃金レベルでの引き抜きは効果てきめんということになるだろう。

 この工場進出のタイミングから、ドイツ系、とくにVWグループ(VW、アウディ、シュコダ・オート)が広州ショーでも展示棟のひとつを借り切り、通称“VW村”を構成するようになった。BMWもワールドプレミアモデルを積極的に用意するなど、とにかくドイツ系を中心に欧州系ブランドが目立つようになってきた。

 同じ頃、広州市政府は「広州市の中小乗用車総量コントロール管理試行通告」、いわゆる“ナンバープレート発給規制”をスタートさせている。前出の事情通は、以下のように話してくれた。

「すでに発給規制をスタートさせていた北京は抽選方式、上海は競売方式を採り入れていましたが、広州市は両方をミックスさせたものとなりました。発給規制スタート当初は北京や上海などと同様に、『せっかくナンバープレートがもらえるなら』と、中国民族系メーカーはもちろん韓国車や日本車を超えて、『欧州系(ドイツ系メイン)メーカー車を買おう』という“ジャパンパッシング”が起こりました。

 また、代替えで新車に乗り換えるときには速やかに下取り車を発給規制対象外地域へ持って行かなければ新車に乗り換えられないので、あるドイツ系ブランドディーラーでは、規制対象外地域へ下取り車を流すルートをいち早く開拓しました。『どれだけ早く新車に乗り換えられるのか』というのも購入車を決めるポイントとなっていたので、日系ブランドはこの面でも出遅れが目立っていたようです」

 発給規制スタート当初は肩身の狭い思いだった中国民族系メーカー車も、その後、急速に品質やスタイリングなどがレベルアップし、自動車需要の大衆化が進んだこともあり、日系メーカー車は圧倒的に価格の安い中国民族系メーカー車の追い上げにも悩まされるようになってきたのである。

●驚異的なスピードで普及する中国のNEV事情

 そして、日系ブランドの地位をさらに危うくしかねないのがNEV規制といえるだろう。19年より輸入および生産台数が一定数以上の各自動車メーカーは生産および輸入に対して一定割合を政府が指定したNEV(新エネルギー車/EV、PHEV、FCHVが対象/中国語では新能源汽車)にすることを義務づけるものだ。

 あくまで筆者の推測となるが、当初日系メーカーはHEV(外部からの充電機能のないアンプラグドハイブリッド車)がNEVの対象になるものとしてラインナップを進めていたように見えた。しかし、結果として日系メーカーの得意とするHEVはNEVの対象から外れたのである(ドイツ系メーカーの中国政府への強力なロビー活動があったためという話も聞いている)。

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