外資ファンドに子会社化されたパイオニア、「無給」宣言した森谷社長は即刻辞任すべきだ

Business Journal / 2018年12月14日 7時0分

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 経営再建中のパイオニアが12月7日に、アジア企業に投資するアジア系投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下に入ると発表した。ベアリングは総額1020億円で買収してパイオニアを完全子会社とする。これによりパイオニアは東京証券取引所での上場を廃止する。

 今回の買収に伴い、パイオニアは経営陣も一新し、森谷浩一(もりや こういち)社長と社外取締役2人を除く現取締役は辞任し、ベアリングから取締役が送り込まれる。森谷社長は無給になると発表されたが、オーナー経営者でもないのに無給で留任するとは、むしろ経営倫理的に問題があると私は考える。森谷氏も退任するのが適当だ。

●勝ちきれなかった先駆者、パイオニア

 パイオニアの創業は古く、伝統がある電気メーカーだ。1938年に福音商会電機製作所という社名で創業されたときはスピーカーのメーカーだった。戦後、ステレオの製造販売も始め、「スピーカーのパイオニア」としてそのオーディオ技術が評価されていた。オーディオ専業だった時代の61年に社名をパイオニアと変更した。

 パイオニア(先駆者)という社名にふさわしく、いくつかの分野で創出的なメーカーとしてマーケットをリードしてきた。80年代にはカラオケに使われるレーザー・ディスク(LD)で一世を風靡して、カラオケの普及に大いに貢献した。しかし、カラオケがオンラインで楽曲を呼び込むような時代がやってきて、スタンド・アロン機器としてのレーザー・ディスクはその使命を終えた。

 次にパイオニアが名を馳せたのは、カー・ナビゲーションである。市販品としては世界で最初にGPS対応のカーナビを世に送り出したのが90年のことだった。パイオニアのカーナビは90年代に「カロッツエリア」というブランドでマーケットをリードしたが、その後スマートフォン(スマホ)の普及により、カーナビ専用機全体の市況は不調となってきている。

 家電の王様、テレビの世界でもパイオニアはユニークなビジネスを展開した。すなわち、2000年代にプラズマ・テレビの大手メーカーとして松下電器産業と並んでその普及に挑んだのである。しかし、やがてプラズマ・テレビそのものが液晶テレビとの価格競争に敗れ、パイオニアもこの分野から09年に完全撤退した。

 歴史を振り返ってみると、パイオニアという企業はエレクトロニクスのいくつかの領域で尖がった技術を有していたが、それを最後まで世界でビジネス展開していく経営力は十分でなかった。そのため、他社による完全子会社化に至ってしまったのだ。

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