ユニ・チャーム、中国・紙おむつ戦争で後発の花王「メリーズ」に惨敗した“中国人らしい”理由

Business Journal / 2019年1月17日 6時0分

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 ユニ・チャームが国内で今もっとも注力しているのが、高齢者を中心とした紙おむつ「ライフリー」だ。国内ではトップシェアを握る。高齢化が世界に先駈けて進む日本国内で培った、紙おむつのノウハウをアジアへ輸出する。

 創業者の高原慶一朗氏が2018年10月3日、老衰のため東京都内で死去した。87歳だった。

 現社長の高原豪久氏は01年、慶一朗氏から39歳の若さで経営のバトンを引き継いだ。先代社長の慶一朗氏が盤石にした生理用品、子ども用紙おむつなど、国内の事業を継承した。創業者をいかに乗り越えるか。2代目社長が必ず直面する課題だ。

 豪久氏は日本経済新聞電子版に「経営者ブログ」を連載した。最終回の18年12月27日付は「百年企業へ第三の創業」だった。

 そこで、10年に発売され多くの経営者に読まれているジム・コリンズ著『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』(日経BP社)を例に、「我が社も、この『企業衰退の五段階』に陥り、どこかで致命的な失敗をしていたら今日のユニ・チャームは無かったと思います」と書いている。

「企業衰退の五段階」とは、(1)成功から生まれる傲慢、(2)規律なき拡大路線、(3)リスクと問題の否認、(4)一発逆転政策の追求、(5)競合への屈服と凡庸な企業への転落か消滅――というプロセスを辿る。

 ユニ・チャームは、生理用ナプキンの成功で傲慢になった。売り上げ規模の拡大を目指しベビー用紙おむつへ参入したが、乱売合戦が起き、ほころびが生じた。起死回生を図るためにパンツ型紙おむつの「ムーニーマン」や生理用ナプキンのラインアップを刷新した「レディーメード作戦」で一発逆転を狙った。

「『一発逆転策に頼る→失敗する』といった悪循環に陥ると社員の士気もどんどん低下していきます。当時の社内は、多くの人が受命体質に陥り、機能不全を起こしていました。そのような中、抜本的な改革案を断行することによって、ベンチャー企業からグローバル企業へ急ハンドルを切り、轍(てつ)を脱しました」

●アジアの紙おむつメーカーを次々と買収

 豪久氏が打ち出したユニ・チャームの大転換は、2度目のアジア市場の開拓だった。

 18年9月25日、タイの紙おむつメーカー、DSGTを買収した。買収額は5億3000万ドル(約600億円)。海外のM&A(合併・買収)案件としては過去最大規模だった。

 DSGTはタイやマレーシア、インドネシア、シンガポールなどで「BabyLove」や「Fitti」などのベビー用紙おむつを展開。17年12月期の売上高は日本円換算で約280億円。

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