パイオニア、香港系投資ファンドの経営支配下に…10年以上“経営危機常態化”企業の末路

Business Journal / 2019年1月24日 8時0分

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 オーディオの名門として知られるパイオニアが、2019年3月末に株式市場から退場する。1961年10月以降続いてきた上場会社の歴史に終止符を打つ。

 パイオニアの上場廃止でトバッチリを受けるのは、既存の株主たちだ。なかでも、筆頭株主の三菱電機(出資比率7.37%/2018年9月末現在)と第2位株主のNTTドコモ(同6.81%)はババを掴んでしまった。

 経営再建中のパイオニアは18年9月12日、香港を本拠とする投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(以下、ベアリング)から支援を受けることで基本合意した。

 ベアリングを引受先とする500~600億円の第三者割当増資を実施する。増資完了後もパイオニアブランドは維持し、株式上場は当面は続ける方針としていた。

 ところが、一転してパイオニアは18年12月7日、ベアリングの傘下に入ると発表した。ベアリングが総額1020億円を投じて買収する。パイオニアはベアリングの完全子会社となり上場廃止となる。

 具体的なスキームは次の通り。パイオニアは19年1月25日に開く臨時株主総会で正式に決定する。ベアリングは第三者割当増資と債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)で770億円を出資。既存株式からも約250億円で株式を買い取る。買い取り額は1株66.1円で12月7日終値(88円)よりも25%安い。

 18年3月末時点で約1万7000人いる従業員のうち、およそ15%にあたる3000人を削減する。経営陣も刷新する。森谷浩一社長と2人の社外取締役を除く取締役は辞任し、新たにベアリングから取締役が送り込まれる。

●ベアリングに丸投げ

 ベアリングは当初、パイオニアの再建を支援することで合意していたが、上場を維持したままでは抜本的再建に向けて大ナタを振るえないと判断。全額出資に切り替え、株式の非公開化に踏み切った。

 パイオニアの現経営陣では再建できないという不信感があったのだろう。事実、パイオニアの経営は迷走を続けてきた。

 パイオニアは18年5月、カーナビを自動車メーカーに販売するOEM事業で大規模な損失が見込まれると発表。6月、10年間社長を務めた小谷進社長(現会長)が退任。社長を引き継いだ森谷氏がスポンサー探しに奔走した。

 18年4~6月期決算では資金繰りの悪化の懸念から「継続企業の前提に関する疑義注記」が付いた。経営改善計画を主力の三菱UFJ銀行など銀行団に提示し、借入金の借り換えについて合意を得る予定にしていた。しかし、抜本的な経営の見直し作業が遅れたため、経営改善計画を銀行団に提示できず、借り換えの合意が得られなかった。銀行団が借り換えに応じなければ、その時点で資金が底をつき経営は破綻する。

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