丸紅、初の“○○社長”誕生…熾烈な社長レースの舞台裏

Business Journal / 2019年1月23日 8時0分

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 2011年に丸紅の社長に就いた國分文也氏は3期6年の節目を迎えた。中期経営計画が2019年3月末で終了することから、「新しい中計は新社長の下で」(丸紅幹部)との気運が高まっていた。

“ポスト國分”の候補は3人に絞られていた。柿木真澄・取締役副社長執行役員(東京大学卒、1980年入社、機械)、矢部延弘・取締役常務執行役員(慶應義塾大学卒、82年入社、財経)、宮田裕久・取締役常務執行役員(早稲田大学卒、83年入社、機械)である。

 2018年4月に経営陣に加わった柿木、宮田両氏は、丸紅の稼ぎ頭となっている電力部門の出身である。電力部門の利益は、ここ15年間で10倍になった。資源のように国際商品市況に左右されることがない安定した“ドル箱”になったといっていい。絶対本命は柿木氏といわれていたが、下馬評通り同氏が4月1日付で社長に昇格する。

 電力部門から次期社長が選ばれるというのは自然な流れだった。柿木氏は18年4月から電力・プラントグループのCEOを務めている。宮田氏は電力本部長としてこの部門を拡大してきた実績がある。現在は経営企画を担当するCSO。重電畑一筋の宮田氏を、経営戦略を立案するCSOに就け、新しい中期経営計画策定の機関車役とした意味は重い。そのため「宮田氏本命」説を唱える幹部が増えていたが、ひっくり返らなかった。

 もう一人の有力候補だったのは、矢部常務は財務畑。経営企画部長を経て現在はCFO(最高財務責任者)である。投融資委員会の委員長として丸紅のサイフを握っている。会長の朝田照男氏が財経出身で初めて社長の椅子に座った。「その再現があるのだろうか」との声もあったが、出番は回ってこなかった。

 ダークホースは素材グループCEOの小林武雄・常務執行役員(慶大卒、1981年入社、機械)と取り沙汰された。紙パルプ本部長として海外の紙パルプ事業をたて直した。丸紅は一時期、紙パルプ部門から社長を輩出していた。

 背番号(どの部署の出身かという色分け。総合商社独特の呼び方)が機械・電力の社長が誕生するのは初めてだ。東大出身の社長は3人目である。

 朝田会長と國分社長の関係が良くないこともあって、朝田氏の処遇にも関心が集まった。特に國分氏が会長兼CEOになるかどうかが焦点だった。そうなれば、実質的に國分時代が続くことになるからだったが、國分氏は代表権を持たない会長、朝田氏は常任顧問となる。「両者相討ち」(関係者)との声があがった。

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