自動車産業、CO2ゼロ達成のため大幅人員削減を容認の方向…新車の4割がEVか

Business Journal / 2019年2月21日 8時0分

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●自動車業界猛反発

 欧州連合(EU)は、2030年の自動車の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減する規制案をまとめた。今後EUの各委員会、理事会、議会の了承を得て正式に決定する。規制の内容は、30年までに電気自動車(EV)の販売台数の大幅な拡大なくしてはクリアできず、EU域内の自動車業界は一斉に反発している。

 しかし、それも表面上の話で、実際は各メーカーともにEVの生産・販売台数の拡大は織り込み済みのようだ。実質的にはリーフ(日産自動車)1モデルしかEVを持たない国内自動車メーカー、そしてそれを容認するかのような日本の行政とは、明らかに地球温暖化防止に関する取り組み姿勢に違いがある。

●37.5%の削減

 EUの提案は30年には、21年に対して37.5%もの削減である。21年のそれは走行距離1キロメートルあたりのCO2排出量を95グラム以内にするというものだ(95gCO2/km)。日本流の「燃費」に換算するとリッター24.4キロメートルである。この規制値は実燃費に近いWLTC基準によるものだから、日本のJC08モードではおよそ29km/ℓあたりだろう。しかし、これでも多くのメーカーはクリアが困難である。

 しかも規制値は、販売した自動車の総販売台数を掛けた平均値である。車重に応じて規制値を増減させるとはいえ、CO2排出量の多い、すなわち燃費の悪いモデルを販売したいのであれば、燃費の良い小型車を大量に売らなければならない。

●リッター47キロメートルか

 2030年のCO2排出量は、21年の規制値に対して37.5%減である。つまり59.4gCO2/kmだ。燃費で表すとリッター39キロメートルとなる。JC08ではリッター47kmか。ちなみにプリウスの燃費は、もっとも良い「Eグレード」でリッター39キロメートル(JC08)である。

 95gCO2/kmとて無理といわれるなかで、これはとてもエンジン車だけではクリアできないというのが、EU域内メーカーの本音である。しかも、EU議会はEU連合の37.5%に対してさらに厳しい40%の削減を提案していたのであった。

 これは実質的には米国のZEV法、中国のNEV法と同様のEV強制導入法といってよい。EVは走行中のCO2排出量がゼロである。1台でも販売すると一気にCO2の平均排出量が減るからだ。

●震源はパリ協定
 
 このような厳しい自動車のCO2排出量規制の背景には、年々強まる地球温暖化に対する危惧がある。地球温暖化の主たる原因は、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の燃焼による大気中のCO2濃度の増大である。石油(ガソリン、軽油)を燃料にする内燃機関自動車は、IEA(国際エネルギー機関)等の資料から計算すると、世界のCO2排出量の22%にも及ぶ大量のCO2を排出する(日本の自動車は16%)。地球温暖化の元凶である。

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