LIXIL、燻る“日本脱出計画”…売上は国内依存、創業家CEO復帰で株価大暴落

Business Journal / 2019年2月22日 6時0分

「仰天計画の中核は本社のシンガポール移転である。これは潮田の悲願で、5年ほど前、野村証券にスキーム作りを依頼した。その野村が『本社を移す場合、どうしても移転価格税制がネックになる』と結論付けると、今度はM&AアドバイザリーファームのGCAを雇って、実現可能性を探った。関係者によると、GCAはこんなスキームを提案した。まずLIXILグループをMBOで非上場化する。次にシンガポールで買収する企業と合併させ、合併会社をシンガポールで上場させる」

 潮田氏は周囲に、「日本に納税するつもりはない。いずれ国債が暴落し、日本は破綻するだろう」と吹聴して自宅もシンガポールに移したとし、潮田氏が日本を見限って公私にわたって海外に拠点を移す様子を報じている。

 創業家出身の潮田氏がCEOに復帰した途端に、LIXIL株は大暴落した。18年12月25日には昨年来安値1270円を付けた。昨年来高値の3255円(18年1月23日)から実に60%の下落だ。1兆円を超えていた株式時価総額は瞬時にして6200億円が消えた。2月15日の終値は、安値からおよそ300円反発し、1563円である。

 潮田氏の復権以降、国債より先にLIXILの株価が急落した。LIXILグループの売り上げの75%は日本に依存している。本社がシンガポールに移れば、外国企業とみなされ、消費者や工務店などのLIXIL離れが進むとみられる。

 潮田氏が悲願とする「日本脱出」計画は、満願成就するのだろうか。

 2月8日、住宅やビルのメンテナンスを手掛ける子会社、LIXILリニューアルで、過去に取引実態のない受注案件があったことが判明。13日、監査法人による追加審査が必要なため、19年3月期第3四半期報告書の提出を1カ月延長すると発表した。弁護士と公認会計士による特別調査委員会を12日付で設置。取引内容や原因を調べるほか、他の子会社で同様な案件がないかどうか確認する。

 株価の低迷は深刻だ。18年12月の昨年来安値1270円は、9年7カ月ぶりの安値だった。その後も安値圏で推移している。時価総額も直近のピークだった18年1月の水準に比べて半分になった。突然のトップ交代後も、投資家が納得、安心するような経営の方向性は明確に示されていない。
(文=編集部)

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