ゴーストタウン化する東京の高級住宅街…富裕層は厄介な広い一軒家より都心タワマンへ

Business Journal / 2019年3月18日 10時0分

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 田園調布やたまプラーザ、成城学園、ときわ台といった東京圏で人気を誇っていたかつての高級住宅街が危機に瀕している。

 高度経済成長が終わっても、日本では持ち家神話は根強く残っていた。高級住宅街に家を構えるのは夢のまた夢で、一般庶民がマイホームを持つには土地の安い郊外しかない。そのために通勤圏は際限なく拡大した。

 郊外化が進行してもなお、かねてより高級住宅街とされてきた街は手堅い人気を保ってきたが、ここ10年で人気に陰りが出た。もっと正確に言えば衰退、そして消滅の危機に瀕しているといっても過言ではない。

 これまでの高級住宅街に居を構える富裕層は、普段から付き合いのある近所の老舗に出前を頼んだり、食べに行くというライフスタイルだった。日用品の買い物も自宅まで届けてもらう、御用聞き・配達が当たり前だった。しかし、そうしたライフスタイルは崩壊。その背景にあるのが、老舗の後継者難だ。事業承継がスムーズにできなかったことにより、個人経営の老舗は次々と消えた。また、老朽化した店舗を改装しようにも銀行が個人事業主に貸し渋るというキャッシュフロー的な問題もある。

 こうした重層的な事情から、高級住宅街の住民が頼りにしていた個人商店は消失。代わって企業経営型のファミリーレストランやファストフード、コンビニエンスストアといったチェーン系店舗が幅をきかせる。

 一昔前なら、住宅街での24時間営業の店舗や大型店舗は出店規制が強く、また派手な看板を出せないよう屋外広告規制もあった。このほど建築基準法が改正され、今後は規制緩和が一気に進む。住宅街でも大型店が出店できるようになる。閑静な住宅街に24時間営業のコンビニがオープンすれば、当然ながら周囲の住民は出入りする客や搬入のトラックによる騒音・振動・光害の影響を受けざるを得ない。コンビニは生活するうえで便利な存在で、もはや生活インフラ化している。しかし、家の隣にコンビニが出店するとなれば話は違う。穏やかな生活環境が脅かされる危険性が高いのだ。

●ガストもマクドナルドも立地

 高級住宅街は住民組織が強く、住民からの反対もあってコンビニの出店は容易ではなかった。また、家一軒の規模が大きい高級住宅街では、出店しても徒歩圏の居住者が少ない。居住者が少なければ、必然的に来店者数は少ない。来店者が少なければ、売上も期待できない。採算面からも、高級住宅街はコンビニが出店しづらかった。

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