ルノー=フランス政府、ゴーンが築いた“日産の利益収奪システム”の全貌

Business Journal / 2019年3月27日 8時0分

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 日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の首脳が3月12日、横浜市の日産グローバル本社で共同記者会見を開き、3社連合を統括する新しい組織をつくると発表した。新組織は「アライアンス・オペレーティング・ボード」(連合運営会議)。ルノーのジャンドミニク・スナール会長が議長を務める。

 ルノーからはスナール氏とティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)の2人、日産は西川廣人社長兼CEO、三菱自は益子修会長兼CEOが中心メンバー。部品の購買、物流、研究開発、生産など協業の戦略を練る。「3社のCEOが直接、業務を統括する。私は会長でしかない」とスナール氏は言うが、新しい最高意思決定機関の主導権は、議長を出すルノーが握ったことになる。

 4人は並んで記者会見に臨み、3社連合の今後について説明した。

 日産・ルノー・三菱自の3社は会見に先立ち、アライアンス(提携)の新たなスタートに向けた9項目の覚書を締結。「ルノーの会長が日産の取締役会副議長(代表取締役)に適した候補であると想定される」と明記した。スナール氏は日産が新設する取締役会副議長に就くことになる。

 スナール氏は、焦点となっている日産の後任会長人事について「私は日産の会長になろうとは思っていない」と、記者会見で明言した。日産の会長ポストに関しては、ルノーが一歩譲る格好となった。

 覚書の正式な署名式は3月27日にパリで行う。オランダにある「ルノー・日産BV」と「日産・三菱BV」は機能を停止させる。

 日産とルノーのトップは、将来的な資本関係の見直しについて、最後まで明確に否定しなかった。「未来志向」を強調し、懸案の課題は棚上げ・先送りしたいとの思惑が透けて見えた。オランダから東京とパリへ協議の場は移るが、経営統合の火種は残ったままである。

●ゴーン前会長の権力の源

『日産独裁経営と権力抗争の末路』(有森隆/さくら舎)は、「ルノー・日産のアライアンス(戦略的連携)こそがゴーンの権力の源泉であり、ルノー=仏政府が日産の利益を収奪しつづけてきた実態を覆い隠す装置である」と指摘する。

 1999年3月27日、日産とルノーはアライアンスを締結した。ルノーは日産の第三者割当増資5857億円に応じ、日産株式の36.8%を取得するとともに、2159億円の新株引受権付社債(ワラント債)を引き受けた。総額8016億円の資金を投じ、日産を買収した。

 アライアンスは「利益ある成長と共通利益の追求」という共通理念を掲げた。

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