中学受験「多様化」の実態とワケ…英検準1級並み、プログラミング、AIについてプレゼン

Business Journal / 2019年4月5日 11時0分

 例えば難関思考力入試では、「日本の高齢化と医療とAI」をテーマにした資料を読み込み、AIの進化に伴うメリットとデメリットを考えた上で、高齢化社会の医療でのAIの活用方法と人間の役割をレゴと文章で表現し、プレゼンすることが求められた。この入試で問われるのは、情報を取り出す力、比較分類する力、統合して解釈する力、意図を持ってアイディアを形にできる能力、説明する力だと学校は説明する。

 進学校として人気があがっている東京都市大等々力中学校(東京都世田谷区)でも、一般入試の他に、算数1教科型とアクティブラーニング型入試を実施している。今年のアクティブラーニング型入試のお題は、犬型ロボットaiboを例にとりながら、「AIが進化した未来の社会で、人々が幸せになるために、どうしたらいいのか」というもの。この大きな問いに対する答えを初見の資料を読み解き、個人ワークとグループワークを交互に行いながら探していく。

 同校では、東大CoREFが開発した「知識構成型ジグソー法」というプログラムを教員研修を重ねて授業にも取り入れており、入試でも、そのメソッドが使われている。この入試で問われるのは、与えられた資料を協働して読み解き、深く考えることができるか、多様なものを認める資質、肯定否定両面から考察できる批評力、意欲と協調性など。

 入試担当教員は「単に積極的に発言しているかということだけではなく、どれだけ人の話を聴けたか、意見をまとめられたかを見ている」と話す。基準に達しなければ合格者数は定員を下回る可能性もあるという厳しいものだが、今年は20名の枠に83名が挑み10名が合格した。

●御三家レベルの課題に挑戦する子どもたち。新タイプ入試は、学力の定義を変える可能性大。

 それにしても、学校にとってはかなり手間のかかるこのような入試を行う理由はなんなのか。その背景には、前述の公立中高一貫校受験生を取り込みたいという意図もあるだろうが、2020年度から実施される大学入試改革に始まる教育改革の影響も大きい。実社会では、明確な答えのない課題に対して、分析し最適解を導き出し、チームになって解決する力が求められる。そのときに必要になるのが、新学習指導要領でも謳われている、思考力・判断力・表現力だからだ。

 一部の私学では国の教育改革に先駆けて、数年前からそうした能力の育成を重視したプログラムを学内で実施し、入試にも反映し始めている。その結果、出題された問題に対する正解を導き出す力が測られる従来の教科テストでは見えない、別の能力があるということが実証され始めているようだ。

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