中学受験「多様化」の実態とワケ…英検準1級並み、プログラミング、AIについてプレゼン

Business Journal / 2019年4月5日 11時0分

 聖学院の思考力入試で課される問題のレベルは、御三家といわれる超難関校と引けを取らないが、この学校の入試偏差値は47(首都圏模試調べ)。偏差値だけを見ると、「なぜこんな難題を出すのか」という疑問も湧いてくる……。しかし、思考力入試を取り仕切る教員は、「頭のなかにある考えをなかなか言葉に落とし込めない子どもも、手を動かしブロックを使って表現するというプロセスを踏むことで、スムーズに言語化できる」と言う。

 実は、この入試で高得点を取って合格した生徒は同校の上位クラスに所属しているが、一般入試ではこのクラスには届かなかった。しかし、入学後は他の生徒に引けを取っていないという。通常の教科中心のテストでは引き出せない能力が、新タイプ入試なら引き出せるということなのかもしれない。

 また、できるだけ多様な資質を持った生徒を取りたいという狙いもあるだろう。実際、前述の2校では、新タイプ入試で入学した生徒は意欲が高く、一般入試で入った生徒と交ざることで授業にも活気が生まれるという。東大や京大が推薦入試を始めたのも同じ狙いだ。

 ここまで書いて、改めて「学力とは何か」「従来のテストで測られている能力は、ごく一面に過ぎなのではないか」という疑問が出てくる。これまで往々にして、受験を突破するためテストで点数をとれれば学力が高いと評価されてきた。しかし、実際にその枠内には収まらないが、思考力という物差しで測ったときに高いポテンシャルを持つ子どもがいる。新タイプ入試を実施する学校では、そんな潜在能力を持った子どもを見いだし、学内で育てていこうという意図が感じられる。

●これからは入試の世界でも、多様性がキーワードになる
 
 2020年度入試からセンター入試に変わって大学入学共通テストが始まる。結局それほど変わらないのではという予測も飛び交うが、筆者は新学習指導要領で学ぶ生徒が大学受験をする2024年以降に、大学入試も本格的に変わるのではないかと思っている。むしろ、変わらなければこの国の未来は危ういとも考えている。
 
 少子化に伴って、今後ますます教育業界も生徒の争奪戦が激しくなる。ひとつの流れが低学年からの通塾。塾難民という言葉も出てくるくらい、難関中学合格を目指して低学年から子どもを塾にいれる家庭がある一方で、習い事もやめず、塾通いで消耗させず、なおかつ良い環境を与えるために私学に通わせたいと考える親たちも出てきた。

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