ジャパンディスプレイ、経産省の関与で経営混迷…中国企業傘下入りは“当然の帰結”

Business Journal / 2019年4月19日 6時0分

 ルネサスは2013年6月に、オムロンの会長だった作田久男氏を会長兼CEOとして招聘した。作田氏は工場の縮小、売却、閉鎖など凄まじいリストラを断行した。その結果、2014年3月期には、ルネサス設立以来、通期で初めての黒字化を実現し、その後、営業利益率は10~15%を叩き出すまでになった(図4)。

 2016年6月に社長兼CEOに就任した呉文精氏は、2017年2月に約3200憶円で米インターシルを買収し、2019年3月には約7300億円で米Integrated Device Technology(IDT)を買収した。つまり、ここ2年で1兆円を超える資金を買収に投じた。

 ところが、呉CEOは3月29日の記者会見で、「国内外14カ所ある工場のうち13カ所の停止を検討している」「まず国内の主要6工場で4~6月に平均で1カ月稼働を停止する想定だが、停止期間を短縮できる見込みもあるという。7月以降は未定だが工場によっては最大2カ月ほど停止する」などと述べたという(3月30日付日本経済新聞より)。

 ルネサスは、1兆円を超える買収を行う一方で、前代未聞の半導体工場の停止を行うという。その経営はまったくちぐはぐで、正気の沙汰とは思えない(2018年3月28日の拙著記事『ルネサスが隠す、異例の2カ月工場停止の“不都合な理由”…経営危機下で巨額買収の暴挙』)。

●経産省が関与するとこうなる

 経産省が関与し、旧革新機構等が出資すると、どうなるかということを図5に示そう。

 1999年までは、日立製作所、三菱電機、NECが、それぞれ別個にDRAM等のメモリやデジタル家電用のSoC(System on Chip)の半導体ビジネスを行っていた。1996年には、3社合計で2兆6800億円の売上高を記録した。

 ところが、1999年以降に経産省が旗を振って、まずNECと日立のDRAMの合弁会社エルピーダを設立した。エルピーダには、のちに三菱の技術者も加わった。次に、2002年にNECエレクトロニクスが分社化された。さらに、2003年には日立と三菱の合弁会社ルネサス テクノロジが設立された。この会社はロゴが赤かったことから、“赤いルネサス”と呼ばれた。

“赤いルネサス”は2010年4月に、NECエレクトロニクスに吸収合併されて、ルネサス エレクトロニクスになった。この会社は“赤いルネサス”と区別するためにロゴが青かったことから、“青いルネサス”と呼ばれるようになる。その“青いルネサス”は、業績不振のために旧革新機構等に買収され、直近では前代未聞の工場停止を行おうとしているわけだ。

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