セブン&アイ、またトップ電撃解任の悲喜劇…締め付けてきたFC加盟店の“反乱”

Business Journal / 2019年5月4日 8時0分

 また、「古屋氏のやり方は時流に合わなくなっていた」(関係者)との厳しい見方もある。

●24時間営業問題は今後もくすぶり続ける

 4月4日の記者会見で、永松氏は「営業時間に関しては、個別の店舗に合わせて柔軟に対応していく」とした。新規店舗向けが6割を占めた設備投資を既存店6割とすると述べ、古屋時代の拡大一辺倒の路線からの決別を宣言した。「役員がオーナーと直接対話する機会をつくる」とし、上意下達の指導方針を180度転換する。加盟店を厳しく指導して組織を引き締めてきた手法だけでは、もはや、この苦況を乗り切れないとの冷静な判断がある。

「古屋氏はオペレーション本部(FC店指導員を束ねる部門)の経験者だから、24時間営業問題の難しさはわかっている。松永氏はオペレーション本部の経験はあるが、人事や労務畑が長いので、現場のことがあまりわかっていない。オペレーション部門出身でない井阪氏も現場の空気がわかっていない。

 本部にとっては24時間営業のほうが配送は効率的。夜に店を閉めたら配送にロスが出る。だから、できるだけ緩やかに転換したいと思っている。しかし、加盟店の現場はそんな穏やかなことを言っていられない。人手不足が深刻。人件費も急増しており、オーナーにとって待ったなしの状況なのだ」(前出アナリスト)

 井阪氏は会見で「選択制を採用するわけではない。24時間営業を続けるかどうかをオーナーが選べる制度の導入は考えていない」と明言し、営業時間の選択制の導入は否定した。

「セブンイレブンの国内加盟店は2万店を超えるが、営業時間の短縮を求めているのは80店。こんなに少ないのは、コンビニのオーナーが本部を恐がっている証左」(関係者)

 時短の実証営業を始めたが、基本的には24時間営業を維持する方向だ。どこで折り合いをつけるかが注目される。本部とFC店オーナーの収入に直結する問題だけに、ハンドリングを一つ間違えると、次は井阪氏の進退問題になりかねない。

 井阪氏は鈴木氏と敵対するなかで、創業家である伊藤雅俊・セブン&アイHD名誉会長に近づいて今の地位を得た。伊藤氏は息子の伊藤順朗・取締役常務執行役員を社長にしたいと考え、井阪氏にその道筋をつけてもらいたい。創業家を後ろ盾に、井阪氏は8つ年上の古屋氏を切った。自らの体制を磐石にする狙いがあることだけは確かだ。

●時短を容認

 4月25日、東京都内で記者会見した永松氏は営業時間の短縮について「最終判断はFC店のオーナーに委ねる。24時間営業をやめるといわれたら拒絶しない」と述べ、一律に24時間営業を求める姿勢からの方向転換を鮮明にした。同日発表した店主らの負担軽減に向けた行動計画では、24時間営業について「個店ごとに柔軟な運営のあり方を模索する」とした。営業時間の短縮を希望する店主に、2019年度内に一部店舗で実施している営業時間短縮の実証実験の結果を開示することを行動計画に盛り込んだ。

 本社役員らがFC店を訪問し、店主とのコミュニケーションを強化する。セルフレジの導入やキャッシュレス決済を促進し人手不足解消につなげるとした。2019年度はこうした既存店への支援に1200億円を充てる。
(文=編集部)

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