第2のスルガ銀行…西武信金、自画自賛の驚異的成長の裏で暴力団融資、不動産向け融資偏重

Business Journal / 2019年5月19日 8時0分

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 信用金庫大手の西武信用金庫が、暴力団など反社会勢力と関わりのある企業に融資していた。4月6日、7日付毎日新聞の報道を皮切りに朝日新聞、日本経済新聞も報じた。

「関係者によると、支店長などの幹部クラスが東京都心の繁華街で、指定暴力団や、在日中国人らによる準暴力団の構成員らに飲食を伴う接待を繰り返していた。支払いには信金名義のクレジットカードが使用され、西武信金は金融庁が昨年11月に立ち入り検査に着手して間もなく、カードの使用を自粛するよう内部に通達を出したという」(4月7日付毎日新聞)

「同信金の落合寛司理事長は反社会的勢力との関係を含めた一連の問題の責任を取って辞任する意向を金融庁に伝えているといい、トップの進退に波及する可能性がある」(4月6日付毎日新聞)

 金融庁はスルガ銀行の投資用不動産向け融資の不正を受け、信用金庫を含む全金融機関に対して、投資用不動産向け融資に関する実態調査を進めた。

 西武信金は投資用アパート・マンション向け融資に積極的で、不動産購入資金の借り入れ希望者の資産の多く見せるため、不動産業者が預金残高を改竄し、同金庫から多額のローンを引き出した事例が見つかった。金融庁は昨年11月、こうした不正を見過ごした同金庫の融資審査や管理体制に不備がなかったかを調べるため、立ち入り検査を行った。

 検査のなかで、指定暴力団の関連企業に融資していたことがわかった。西武信金はこれらの企業を「反社会的勢力に該当する」としてデータベースで管理しており、不適切な融資と認識していたという。一連の融資と接待は、常勤の理事が主導していた。

「都内のある支店では警視庁が準暴力団と位置付ける組織の関係者側への融資が大きく膨らんでいた」(4月9日付朝日新聞)

 金融庁による地方銀行や信用金庫の監督指針には「反社勢力への資金提供や不適切な取引関係を認識しているにもかかわらず関係解消に向けた適切な対応が図られないなど、内部管理態勢が極めて脆弱なケース」などで行政処分を出すと明記されている。

 金融庁は、この理事の解任を含め西武信金の経営責任を追及し、信用金庫法に基づく行政処分を検討する。“第2のスルガ銀行”事件である。

●都心に出店し、不動産融資で業績を伸ばす

 ほんの1年前まで、西武信金の落合寛司理事長は、“信金の麒麟児”ともてはやされていた。理事長に就任してから、爆発的に業績を伸ばしたからだ。

 落合氏は1950年、神奈川県生まれ。亜細亜大学卒業。73年、西武信金に入庫した生え抜き。2010年6月、理事長に就任した。

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