AVにおけるエンタメ性とは…文筆家・森下くるみと考える「健全化されたあとのAV業界」

Business Journal / 2019年5月27日 20時0分

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 今、AV業界が激動の時代を迎えていることをご存じだろうか? 2017年10月、AV業界の健全化を目的として「AV人権倫理機構」なる第三者機関が設立された。これは、2016年に被害相談の相次いだ、いわゆる「AV出演強要」が社会問題となったことを発端として、AV業界の主要なプレイヤーの合意のもと、2017年4月に発足した第三者委員会「AV業界改革推進有識者委員会」の後継組織として立ち上げられたものだ。

 ここでいう「AV業界のプレイヤー」とは、メーカー、販売・配信業者、プロダクション、そして女優の4者。これまでAV業界は彼らを中心として、監督官庁すら持たないまま、ある種の自然発生的な秩序のなか、多くの問題をはらみつつなんとか運営されてきた。しかし、AV出演強要問題を契機として、AV業界に向けられる社会の目はかつてないほど厳しさを増した。

 今、業界とは利害関係のない第三者機関の“お墨つき”のもと、社会に受け入れられるような業界運営のルールを策定して健全化を図らなければ、業界の未来はない――。AV業界のそうした強い危機意識を受けて発足したAV人権倫理機構が、各プレイヤーに対して協議やヒアリングなどを通じて直接働きかけつつ、業界の抜本的な制度改革を断行中なのだ。

 そのAV人権倫理機構が改革の一環として生み出した、ひとつの大きな成果といえるのが、「作品販売等停止」という新ルールだ。これは、発売から5年以上経過したAV作品については、出演女優が要請すれば販売・配信を停止できるというもの。従来、作品の販売期間や二次利用について明確かつ妥当な規定のなかったAV業界においては、画期的といえるルールだ。

 2018年2月に運用が開始された「作品販売等停止」の制度を利用し、しかもその事実を自ら公表して話題となった元AV女優がいる。1998年にデビュー、ロリータ系女優として業界トップクラスの人気を誇り、2008年に引退した森下くるみ氏だ。彼女の活躍した1990年代末から2000年代半ばといえば、インターネットの急速な普及によりAVの流通形態がDVD販売・レンタルからネット配信へと一気に転換した時期。引退前後から自伝的小説『すべては「裸になる」から始まって』(2007年、英知出版 ※2008年、講談社より再販)を上梓するなど、10年以上にわたり文筆家、役者としてマルチに活動してきた彼女こそ、まさにそうしたAV業界の激変期を象徴する存在ともいえよう。

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