AVにおけるエンタメ性とは…文筆家・森下くるみと考える「健全化されたあとのAV業界」

Business Journal / 2019年5月27日 20時0分

 一方、当サイトで「法“痴”国家ニッポン」を連載中の桐蔭横浜大学教授・河合幹雄氏は、学者や弁護士などの有識者で構成されるAV人権倫理機構の4人の理事のひとりとして、まさにこの「作品販売等停止」の制度を設計した人物。法社会学者としての知見を活かし、マンガ表現規制への反対運動などで知られる「ヤマベン」こと山口貴士弁護士らと共に、AV業界改革において中心的な役割を果たしてきた。

 今回実現したのは、その河合氏と森下氏の直接対話だ。“制度を設計・運用する側”と“制度を利用する側”、いわば対極の立場にある両氏の間で、いったいどんな会話が交わされたのか? 全3回の最終回となる今回語られるのは、AV作品とAV業界の今後あるべき姿についてだ。

●河合幹雄(かわい・みきお)
1960年生まれ。桐蔭横浜大学法学部教授(法社会学)。京都大学大学院法学研究科博士課程修了。社会学の理論を柱に、比較法学的な実証研究、理論的考察を行う。著作に、『日本の殺人』(ちくま新書、2009年)や、「治安悪化」が誤りであることを指摘して話題となった『安全神話崩壊のパラドックス』(岩波書店、2004年)などがある。

●森下くるみ(もりした・くるみ)
1980年、秋田県生まれ。文筆家。1998年に18歳でAVデビュー、トップ女優として活躍後、2008年に引退。その後、文筆家として多方面で活躍。著作に『すべては『裸になる』から始まって』(講談社、2008年)、『らふ』(青志社、2010年)、『36 書く女×撮る男』(ポンプラボ、2016年)など。

●「AV作品を消す」とはいかなる行為か? アーカイブとして考慮すべきAVの価値

河合幹雄 今回の対談全体を通じてもっとも大きなテーマになっている、「作品あるいは過去を消す」という観点からいうと、元トップAV女優だった森下さんが出演作の販売・配信停止を申請したというのは、実はAVの歴史に残るレベルの重要なできごとかもしれない、と思うんですね。

 確かに現状では、出演作が完全に消えたわけではないけど、先々を考えると、本当に消滅してしまう可能性はある。昔からしばしばいわれてきたように、AVをある種の文化資産みたいなものとしてとらえるなら、本当にそれでいいのか、やっぱりアーカイブとしてどこかに残しておくべきではないか、という議論はあり得るわけです。そういう意見に対して、元女優としての立場からはどう思いますか?

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