高視聴率『わたし、定時で帰ります。』主演の吉高由里子…演技派かドラマ女優かで苦悩中

Business Journal / 2019年5月29日 21時0分

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 連続ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)のリアリティがすごい。ネットベンチャー企業を舞台に、同僚が忙しく残業を続けるなか「定時で帰る」ことにこだわりまくるヒロインを、吉高由里子が好演。同名の人気小説を、「働き方改革」の関連法が施行されたこのタイミングで映像化したのもうまいが、ヒロインの設定がただのお気楽OLなどではなく、「馬車馬のように働き業務中に事故を起こし生死の境をさまよった」という過去を持つ女性会社員であるという点も、支持されている大きな要因であろう。吉高由里子演じるヒロインの東山結衣はその経験の後、“人生の最適化”を図るために仕事はテキパキとこなし、絶対に「定時に帰る」道を選ぶ――といったストーリーに、大きく共感する女性視聴者も多いのだとか。あるテレビ誌のライターは次のように語る。

「最初はただのお気楽OL物語かと思いきや、ヒロインはアラサーで、ブラック企業での勤務に忙殺されたことがあるという過去を持ち、転職して『会社に依存しない』という道を選んだという設定。ヒロインの後輩にはモンスター社員が何人かおり、“定時に帰る”ということにはこだわりつつも、そうしたモンスター社員にはきちんとお説教もする、という人物設定がうまい。つまり、“定時に帰る”というこのドラマのメインテーマに、ただ単に“仕事がいやだから一刻も早く帰宅したい”というイージーさにとどまらない重層性を持たせることに成功しているんです。さらに、“定時に帰る”理由が、近所の中華料理屋のハッピーアワーで半額のビールを飲むため、というのも、女性視聴者層の共感ポイントを底上げしているのでしょう。

 こんな共感どころ満載のドラマなのに、視聴率は毎回10%前後。もちろん昨今の連続ドラマでは合格点といってもいい数字ですし、TVerのランキングでは常に上位に位置している。これはやはり、吉高由里子さんのひょうひょうとした演技がこのドラマの完成度を高めているためでしょう。30歳を超えてなお、ここまで等身大のヒロインを演じられるのは彼女だけ。ほかの人気女優さんと比べてわかりやすい美人ではないのが、妙なリアリティがあっていいという声も多いですね」

●“代表作”との出会いが待たれる吉高由里子

 メインで脚本を担当するのは奥寺佐渡子。2011年に公開された映画『八日目の蝉』や、2014年公開の『バンクーバーの朝日』など、映画を主戦場としてきた作家だが、最近になってテレビドラマ業界に本格参戦。『Nのために』(TBS系、2014年)、『リバース』(TBS系、2017年)など湊かなえ原作のドラマを担当し、その重厚なストーリーテリングには定評がある。あるテレビ局のプロデューサーはこう語る。

「奥寺さんは、湊かなえ原作ドラマなどミステリーの見せ方が非常にうまい。『わたし、定時で帰ります。』でも、ヒロインを陰ながら応援する謎の引きこもり青年の正体を中盤まで引っ張り、さらりと伏線を回収してみせたのはお見事でした。また、単なるお仕事モノで終わらず、“女性が働く”というテーマを複合的に描き出し、ヒロインへの共感度を桁違いに上げることに成功しています。そもそも吉高さんが所属するアミューズは、脚本をしっかり吟味することでも知られる芸能プロ。そのことが、所属タレントの出演作が結果的に成功することにつながることが多い。ドラマの仕上がりを見ても、タレントサイドともいいディスカッションができているように思いますね」

 吉高は現在30歳。そろそろ代表作といわれる作品と出会いたいところだが……。ある芸能関係者は次のように語る。

「吉高さんには相変わらず映画やドラマのオファーが殺到していますが、器用になんでもこなしてしまうところが、逆に弱点になってしまっているのかもしれません。ジャニーズ俳優の恋人役もうまくやれるし、コメディからシリアスまでなんでもナチュラルにこなせるため、存在感がやや希薄というか、代表作といえるような作品にまだ出会えていないのも事実。

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