JR九州、悲願の上場直後に外資系ファンドが株買占め…株主利益と赤字路線維持の両立困難

Business Journal / 2019年6月10日 8時0分

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 住設機器大手のLIXILグループで、経営トップ人事をめぐる混乱が続いている。

 始まりはLIXILグループの前身会社の1社である旧トステム創業家出身の潮田洋一郎氏が昨年、CEO(最高経営責任者)だった瀬戸欣哉氏を解任し、自らCEOに就いたこと。その経緯が不透明だとして英米の機関投資家などが反発し、CEOに復帰した潮田氏の解任を求めた。

 4月18日に潮田氏は記者会見を開き、5月20日に取締役を辞任した。さらに、6月の株主総会をもってCEOを辞任すると発表した。

 一見、潮田氏が白旗を掲げたようにみえるが、そうではない。今なお最高実力者である潮田氏が院政を敷く体制と受け止められているのだ。

 前CEOの瀬戸氏は、6月開催の株主総会に向け、自身を含めた8人の取締役選任議案を株主提案し、CEO復帰を目指している。5月23日、株主提案の取締役候補のうち7人が記者会見。「株主提案への支持を」と訴えた。しかし、瀬戸氏は「委任状争奪戦(プロキシーファイト)をする考えはない」と改めて述べ、戦う姿勢が中途半端なのだ。

 一方、会社側は瀬戸氏を含まない10人の取締役候補を公表している。

 株主提案と会社側提案の両方で候補になっている鈴木輝夫氏(あずさ監査法人元副理事長)は、「同意なしに会社側の候補にされた」と批判。同じく候補になっている鬼丸かおる氏(元最高裁判所判事)とともに、「会社側提案の取締役候補案に同意できない」と伝えたという。2人だけが選任された場合、取締役を辞退する意向だ。

 会社側の取締役10人のうち9人を社外取締役が占める。会社側が次期CEOを公表していない点について、瀬戸氏は「誰が経営するのかを提案しないのは無責任だ」と批判した。

 会社側は取締役候補を2人追加し、定款で定める取締役の定員(16人)を埋める動きを見せている。瀬戸氏側は委任状争奪戦をせずに株主の支持を取り付け、CEOへ復帰するとのシナリオを描くが、逆に会社側が委任状争奪戦を仕掛けることも十分に考えられる。

 6月の定時株主総会に向けて、潮田氏と瀬戸氏のつば迫り合いが続く。株主はどちらに軍配を上げるのか。主導権争いは混迷しており、瀬戸氏側が株主の支持を集められるかどうかは、なお不透明だ。

●「物言う株主」の初洗礼を浴びたJR九州

 九州旅客鉄道(JR九州)は、「物言う株主」の攻勢にさらされている。

 JR九州は2016年10月に悲願の株式上場を果たし、完全民営化した。経営に対する国の関与がなくなり、さっそく物言う株主の洗礼を浴びた。

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