LIXIL創業家・潮田氏、敵前逃亡連発の“道楽経営”で6万人企業は経営できない
Business Journal / 2019年6月12日 6時0分

LIXILグループ(以下、LIXIL)では6月末の株主総会を前に、取締役候補案が2つ提案される事態となり、世の耳目を集めている。会社の指名委員会が選出した候補は8名なのに対し、昨年にCEOを実質解任された瀬戸欣哉氏は自身を含む8名の候補を提案している。言ってみれば、前者が与党、後者が野党的な立ち位置だ。
私は、瀬戸氏を実質解任して自らがCEOに復帰した潮田洋一郎氏が行使していた「オーナーもどき」のクビキから、LIXILが解放されるためにも、瀬戸内閣が再組織されることが同社にとってはよいことだと考えている。
●2つの取締役候補案
最初に発表されたのが、瀬戸氏を中核とする8名の取締役候補案。瀬戸氏は、取締役に重任されることにより、その後の取締役会で再び代表取締役CEOへ復帰することを目指している。
瀬戸氏を含む8名は、会社からの指名推薦ではなく、株主提案として4月に発表された。LIXILの指名委員会はその後5月13日に、会社側の次期取締役候補としてこれも8名を発表した。ところが、そのなかで鈴木輝夫・元あずさ監査法人副理事長と鬼丸かおる・元最高裁判所判事の2人は、瀬戸氏らが株主提案で候補者とした人物だった。
鈴木・鬼丸両氏は会社側からの指名プロセスに問題を感じたなどとして、「会社側の候補としては受けない」として株主提案側の候補となることを明言し、いってみれば旗幟を鮮明にした。
すると、LIXIL指名委員会は新たに別の2人を候補として追加したのである。指名委員会のメンバーには社内取締役である菊地義信氏がいること、同氏が潮田氏と近いとされることからも、指名委員会の動きは瀬戸氏グループと対立、あるいは排斥するものとして受け止められている。
一部報道では、2グループの対立が先鋭化していけば互いに相手候補を否認することも含む委任状闘争(プロキシーファイト)の可能性も指摘されていた。しかし、株主総会が迫っている現時点でその動きが始まっていないこと、本格的にプロキシーファイトをするには双方に多額の資金が必要なことから、その実現の目は少ないと私は見ている。会社側がそれを行えば、株主や社会からの非難を浴びることになるだろうから、抑制的にならざるを得ない。
LIXILの定款では取締役の最大定数は16名なので、双方の候補全員が選出される事態もありうる。その場合は、株主総会後に初となる取締役会で代表取締役およびCEOが選出されることになるので、どちらのグループから選出されるか、大いに興味が持たれる。
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