くら寿司、客離れが深刻…「捨てた魚を調理」動画投稿、騒動連発の裏に従業員教育の欠如

Business Journal / 2019年6月13日 6時0分

 東京地裁は17年4月に「書き込みはくらコーポレーション(現くら寿司)の社会的評価を低下させるものではない。仮に低下がありうるとしても、書き込みには公益性があるため違法性はない」とし、くら寿司の訴えを退けた。また、「くらコーポレーションは4大添加物(化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料)以外の添加物の使用の有無はホームページなどで表示しておらず、書き込みは重要な部分で真実だ」と東京地裁は断じている。

 これはメディアによって大きく報じられた。それにより、4大添加物以外の添加物がくら寿司で使われている可能性があるということが世間に知れ渡ることになった。騒動化したこともあり、くら寿司のイメージは大きく悪化した。

 この騒動を機にくら寿司では客離れが目立つようになった。騒動前の14年11月~15年10月の既存店客数は前年同期比0.8%増とプラス、続く15年11月~16年4月も1.4%増とプラスで推移していたが、「イカサマくさい」との書き込みがあった後の16年5~10月は0.1%増にとどまり、判決が出た17年4月を含む16年11月~17年10月は1.6%減と一転してマイナスになってしまった。

●アニサキス騒動、くら寿司とスシローの違い

 もちろん、無添騒動以外の要因も影響しただろう。たとえば、魚介類を食べて寄生虫「アニサキス」による食中毒にかかったとの著名人による被害報告が17年に入って相次いだことが挙げられる。特に芸人の渡辺直美さんが同年4月にアニサキスによる食中毒にかかったとツイッターに投稿した影響も大きいだろう。以後、アニサキスに関する著名人の言及や報道が相次ぎ、世間に広く知れ渡るようになった。これにより、回転ずしチェーンが敬遠されるようになった面はある。

 競合の回転ずしチェーン「スシロー」の既存店客数の推移を見てみるとわかりやすい。16年10月~17年3月は前年同期比0.2%増と前年を上回ったが、続く17年4~9月は2.5%減と一転してマイナスとなった。アニサキス騒動が影響したとみられる。

 だが、その後の17年10月~18年3月は横ばいとなっており、アニサキス騒動の影響は感じられない。さらに、続く18年4~9月が3.8%増となるなど、その後は好調が続いている。アニサキス騒動の影響は一時的なものだったといえるだろう。

 一方、くら寿司ではアニサキス騒動が沈静化した後も客離れが続いた。騒動前の15年11月~16年10月の客数は前期比0.8%増と、わずかながらもプラスだった。続く16年11月~17年4月は0.5%減だった。そして、アニサキス騒動が直撃した17年5~10月は2.7%減とマイナス幅は拡大した。

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