破綻の商工ローンSFCG、会長無罪確定の衝撃 検察が完敗した“スマートな”司法テロ

Business Journal / 2014年6月27日 1時0分

 金融業の生命線は貸付金の回収にある。当時、日栄は「腎臓1個300万円で売れ、目ん玉1個売れ」という恫喝的取り立てで、全国に悪名を轟かせた。だが、大島氏は日栄のそのような恫喝取り立ては見習わず、法律を使ったスマートな取り立てを目指した。

 SFCGの回収の手法は、白紙委任状+公正証書+連帯保証人の3点セットである。最大の特徴は強制執行できる強制執行認諾条項付公正証書にしておくことだ。公正証書とは法務大臣から指名された公証人が作成する法律文書で、これがあれば、裁判所の判決がなくても財産の差し押さえや強制執行ができる。金銭消費貸借契約書の裏にカーボン紙を挟んだ委任状をセットし、融資契約にサインすると、自動的に複写されて委任状が出来上がる仕組みになっていた。委任状があれば債務者本人でなくても公証人に公正証書を作成してもらえる。こうしたやり方で、債務者・保証人の預金や給与を差し押さえ可能な強制執行認諾条項付公正証書を大量に作成した。

 SFCGが年間に作成していた公正証書は4万件以上。これは全国の公証人が作成した金銭貸借関係の公正証書24万件の6分の1を占めた。公正証書を飛び道具にして、給与を差し押さえ、不動産を押さえていった。債務者には、借金すると同時に不動産に根抵当権設定仮登記が行われているという認識はなかった。強力な弁護団をバックに法律に疎い債務者や連帯保証人を法律でがんじがらめにして、法律を使って貸付金を回収していった。こうした手法は、法律を悪用した「司法テロ」と呼ばれた。

 SFCGがわが世の春を謳歌できたのは、06年に改正貸資金業法が施行され、貸金業の規制が強化されるまでだった。利息制限法を超えた利息の返還を求める過払い金請求訴訟の敗訴が続き、経営を圧迫した。トドメとなったのが、08年に経営破綻した米投資銀行、リーマン・ブラサーズによる猛烈な貸し剥がしである。これでSFCGは新たな資金調達ができない状態になった。

 SFCGは09年2月に、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立てた。あまりの乱脈経営に地裁は09年3月に再生手続きを廃止、破産手続きに移行した。負債総額は3380億円に上った。

●財産隠しの実態

 立件された418億円に上る資産隠しは、大島氏が倒産前に蓄財した資産のほんの一部にすぎなかった。SFCGの破産管財人に就いた瀬戸英雄弁護士は09年4月、「極めて悪質な財産隠し」であるとして、以下の実例を明らかにした。

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