母乳育児の弊害も !? 外で遊ばなくなった子どもたちを襲う「くる病」という脅威

Business Journal / 2014年7月30日 17時0分

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 「くる病」が増えているという。日本人の栄養状態が悪かった戦後の一時期、特に日照が乏しい地域の子どもたちに多く見られたが、食料事情の改善に伴い、最近ではこの病名を聞くことさえまれになっていた。ところが、ここへ来て、また、くる病が増え、主婦向けの情報番組などでも特集されるようになっている。

 くる病とは、成長期の小児の骨にカルシウムが定着せず、柔らかい骨様組織が増加する病気だ。多くの場合、骨の成長障害および骨格や軟骨部の変形を伴う。

 発病するのは生後3カ月から6歳くらいまでの乳幼児だが、親などが子どもの異変に気づいても、くる病が原因だと判明するまでに時間がかかるケースが多いという。たとえば、おむつから出ている脚と脚のあいだが開き過ぎていたり、転びやすかったりするので最寄りの医療機関を訪ねてみても、「おむつが大きいから」「歩きはじめだから」と片付けられてしまうことも少なくないからだ。治療せずに放っておくと、重度のO脚や低身長などの原因になることもあるのにもかかわらず、である。これは、医療関係者にとっても、くる病は過去の病気であり、学会報告でも非常に珍しい病態とされていたからだ。

 ところが、20年ほど前から、くる病の子どもがぼつぼつ見られるようになり、最近の小児専門病院では、特に珍しい病気ではなくなっている。

 では、くる病の原因は何か。それは、ビタミンDの不足である。ビタミンDが不足すると、小児の骨は曲がったり、柔らかくなったり、形成異常を起こす。ビタミンDは小腸でカルシウムやリンの吸収を助け、血中のカルシウム濃度を一定に保ち、骨や歯への沈着を促す働きをもつが、不足すると、それらの働きが十分でなくなるからだ。

 ビタミンDは、魚介類などの食品に含まれている。昔、幼稚園や小学校で配られていたタラなどの肝臓から抽出した油が原料の肝油ドロップもビタミンAとDを豊富に含んでいる。これも鳥目やくる病などを防ぐための戦後の栄養改善策の名残といえよう。一方、ビタミンDは、コレステロールを材料に皮膚から吸収する紫外線によって体内で合成することもできる。

 それにしても飽食時代といわれる今の日本において、子どもの栄養状態が不十分とはどういうことか? ビタミンD不足という事実の裏に、実は思いがけない今時の子育て事情が関連しているのだ。

●優れているはずの母乳の欠点

 今の子どもたちの栄養状態を検証してみよう。

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