不振グリー、なぜヒット作が出ない?崩れた必勝パターン、新事業連発に社内外から疑問の声

Business Journal / 2014年9月5日 1時0分

 ニーズを発見したら3週間程度で試作品レベルの自社オリジナルゲームを開発し、迅速に市場投入する。そして、ユーザの反応を見ながら修正を繰り返し、完成度の高いゲームに仕上げてゆく。そうしてヒット作にしたら、今度はそのヒット作を「ガンダム」「ワンピース」など他社の既存人気コンテンツのゲームにアレンジし、次々と「新作」として売り出す。ゲームの仕組みは同じでも、それを多種多様なコンテンツ上に展開することで「多種多様なユーザ」をゲームに取り込めるというわけだ。

 しかも、ゲームの基本システムはオリジナル版もアレンジ版も大差はないので、ゲーム1本当たりの開発費は1000万円程度。開発期間も3カ月程度で済んだ。ゲームもユーザがネット上からダウンロードする仕組みなので、広告宣伝に費用をかけても全体の販売コストは低い。ゲームが1本ヒットすると、そのゲームから毎月多額の営業利益が生まれた。

●遅れたスマホ対応


 そんなソーシャルゲーム事業の旨味が、スマホの普及で消滅した。

 携帯電話向けゲームはデータダウンロード型だが、スマホ向けゲームはアプリダウンロード型。例えば携帯向けの場合は、ユーザが遊ぶたびにゲーム会社のサーバから必要なデータをダウンロードする。対して、スマホ向けの場合は、画像、音声などゲーム構成に必要な全データをソフトウェア化したアプリを、ユーザは事前にダウンロードしてから遊ぶ。  

 スマホの画面は携帯より大きく精細なので、スマホ向けゲームには携帯向けよりリアルな画像と迫力のある音源が要求され、会社側にとっては家庭用ゲーム機向けソフト同様の開発工程、開発期間、開発費が必要になる。しかも、1本のゲームもスマホの主流OS、iOSとAndroidの2種類向けに開発する必要がある。このため、ゲーム1本当たりの開発費は、それまでの1000万円から5000万~1億円へ増え、開発期間は3カ月から9カ月~1年へ延びた。ソーシャルゲーム事業を携帯向けからスマホ向けにシフトするためには、工程管理を含め、ゲーム開発体制を根本的に変えなければならなかった。

 それだけではない。これだけ巨額の費用をかけて新作を開発しても、それがヒットする保証はどこにもない。スマホ時代になると、ソーシャルゲーム事業はリスキーな事業になり、携帯向け時代に確立した必勝パターンは通用しなくなった。グリーはこうした環境変化に戸惑い、スマホ対応が遅れたといわれている。

●市場からは冷めた見方も

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング