高齢者虐待の実態 昔の仕返し、介護ストレス、失禁の罰…息子によるものが4割

Business Journal / 2014年10月22日 22時0分

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 親の介護がまだまだ先だと思っている世代には縁遠いかと思われる高齢者への虐待問題。しかし、どっぷり高齢社会を迎えた日本では、今後ますます増加すると予想されている。すでに2006年には「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」、通称「高齢者虐待防止法」が施行された。つまり、法律をつくってまで防止に努めなければならないほど、高齢者への虐待が多いということだ。

 特別養護老人ホームなどの高齢者施設で、職員による虐待をマスコミが取り上げる例もさほど珍しいことではなくなった。入所している高齢者が爪をはがされたり、熱湯をかけられたり、暴言を吐かれたり……これは複数のスタッフが勤務する施設だから見つかったということでもある。

 これに対し、虐待が見つけづらいのは在宅介護。特に、訪問介護・通所介護などの介護保険サービスを使っていない場合は、家族以外の目が高齢者に向けられることはきわめて少ないからだ。

 家族からの虐待といえば、長年の恨みが募った長男の嫁から受ける……という昭和のテレビドラマ的な発想はすでに古いものとなり、実の息子や娘から虐待されるのが現代の介護の実態だ。

●暴力だけではない、高齢者への虐待


 一概に「虐待」といっても、激しい暴力だけが虐待ではない。殴る蹴るといった身体的虐待のほか、言葉による脅しや侮辱などの心理的虐待、下半身を触るなどの性的虐待、本人の了解なしにお金を使う、本人が使いたいのに制限するなどの経済的虐待、そして、必要な世話をしないなどの介護等放棄がある。

 平成24年度の厚生労働省の調査によると、養護者による高齢者虐待を受けた人数は1万5627人。そのうち身体的虐待が65%を占め、次いで40.4%が心理的虐待、経済的虐待(23.5%)、介護等放棄(23.4%)と続く。そして、生命や身体、生活について重大な危険であるとされる虐待は1551人(9.9%)にも及んでいる。

 しかし、これはあくまで訪問ヘルパーなどからの通報で発覚し、表面化した数字だ。介護保険サービスを使わず、家族だけで高齢者を介護している場合は、高齢者に痣ができようが、排泄物にまみれていようが、公になることは少ないのだ。まして、存在そのものを無視するような心理的虐待は、他人が家に入ったとしても表面化しにくいだろう。

●息子が親を虐待する、その理由とは?


 先の厚労省の調査では、高齢者に認知症がある場合に虐待の深刻度が重くなるという傾向が現れている。そして最も多いのは息子からの虐待(41.6%)で、2人だけで暮らしている場合が特に危ないという。40~59歳の働き盛りの年齢が多い。男性の場合、「他人に弱みを見せたくない」との思いから、ヘルパーを家に入れることを拒むことが少なくないのだそうだ。また、それまでいたビジネスの世界と違い予定通りに進まない介護にイライラが募り、爆発してしまうことも。

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