F1の巨大な経済効果?国際ビジネスの拠点&世界を招く入口に利用、産業活性化に期待

Business Journal / 2014年10月17日 1時0分


 F1ビジネスの巨大さは、GP一戦あたり200〜300億円の経済効果を生み出し、今年の場合は欧州やアジアを中心に19戦も開催されることから容易に想像できるだろう。F1 GPを運営するホールディングカンパニーが手にする収入(入場料、開催地支払金、テレビ放映料など)は、少なく見積もっても年間2000億円以上の規模であり、08年のリーマンショックですら、その発展を阻害することはなかった。

 日本はそんなモーターレーシングの頂点であるF1ビジネスから取り残されつつある一方、自動車製造業が大きな産業ファクターとして存在する。アジア新興国における国家的熱狂とは裏腹に、果たして欧米をも超越した成熟の自動車社会(=冷静な自動車文化)への道を歩み始めていけるのだろうか。もちろん、F1をはじめとするモータースポーツだけが日本のチャンスではないが、自動車開発と製造が世界に誇る日本の産業であり、今後も発展を期待する以上、グローバルエンターテインメントに成長したモータースポーツを利用しないという手はないだろう。

 海外からの三次産業収益を得る取り組みに関しては、地道な観光事業以外、これといって目立った動きはなく、期待のカジノにしても東南アジアや韓国などに先を越された今となってはデメリット論が目立ってきた。20年の東京五輪ののち、恒常的に毎年複数日開催の期待できるビッグイベントの首都招致も大きな問題だ。

 シンガポールGPを取材する中で、日本完結型のイベントではなく、世界を日本に招くひとつのゲートウェイとして、モータースポーツにもその一翼を担う地力はいまだに十分あると感じた。シンガポールGPの歩みは、小回りの利く国家の戦いぶりであるとはいえ、立派なお手本のひとつになりうる。例えばF1を、全産業を巻き込んだ国家的プロジェクトのひとつとすることで、自動車産業における日本の強みがまたひとつ増え、結果的に多くの人や企業が潤うことになるのではないか。
(文=西川淳/ジュネコ代表取締役、自動車評論家)

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