話題のユーシン社長公募、なぜ失敗?同社の誤解から、企業が採用で犯す過ちを考察

Business Journal / 2014年10月30日 6時0分

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●注目を集めたユーシンの社長選び

 ブログ機能の一つに「最近の人気記事」をいくつか表示するというものがある。筆者のブログでは、ここ数年来必ず上位に表示されている「定番人気記事」が、『ユーシン 社長公募その後(2) 結局、、』という記事だ。2012年5月に掲載した記事なのに、いまだに読まれ続けている。それどころか、1500以上ある過去の全記事の中で累積アクセス数が1位、それも2位を2倍以上離しての断トツ人気である。

 ユーシン社は10~11年にかけ、上場会社として珍しく社長を公募した。1722人もの応募があり、外務官僚のY氏(当時49才)が採用され、社長代行として就任した。

 ところが11年8月の臨時株主総会で同社は、社長昇格人事の先送りと田邊耕二現社長(同77才)の会長兼務を決定した。筆者は同年8月19日付ブログ記事で、次のように書いていた。

「つまるところ、オーナー経営者である田邊氏が禅譲したくないのだ。(略)今回もY氏は結局は社長就任に至らないか、短期日でその職を追われることになるだろう。49才?まだ若いのにお気の毒なことに」

 今回、ユーシンの次期社長選びを取り上げたのには2つの理由がある。

 1つ目の理由は、本連載タイトルを『和根洋栽:日本の会社に外資のトップ』としたこと。Y氏は“外”資出身ではないが“外”務省出身なので、ということだ。日系企業との組織文化の違いの幅が、外資系より上級官僚のほうがより大きいため、興味深い事例だと考えられたからだ。

 2つ目の理由は、同社は今年に入り、また社長公募を発表して話題を集めたからだ。2月16日に「社長候補求む!」という広告を全国紙に打ったが、この2度目の募集について、田邊氏は次のようにインタビューで語っている。

「再び社長公募に踏み切った理由は。うちの中に人材がいないからだ。ヘッドハンターにも頼んだが、なかなかいい人材を見つけられなかった。だったら、うちに来たいと手を挙げてくれる人がいいだろうとなった」(2月20日付東洋経済オンライン記事より)

●2度目の社長公募も中止、迷走する後継者選び

 10年7月に行われた1回目の社長公募は、上場会社がそんなことをしたのが前代未聞だということで随分話題になったが、それについて田邊氏は次のように振り返っている。

「一度目の公募は失敗だった。応募者は1,740人集まったが、みんな自分の会社を辞めてここに来ようとするわけで、社内ではあまり優遇されていなかった人なのではないかと思う。そういう人は、元来、好ましくない」(同)

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