「同額の家賃を払い続けるなら、ローンで購入のほうがオトク」のワナ

Business Journal / 2014年11月4日 6時0分

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 マイホームを購入するか、ずっと賃貸住宅に住み続けるのか、誰もが一度は悩むところだろう。また、住宅を購入した場合と生涯賃貸住宅で過ごした場合では、どちらが得かといった議論もよく耳にするところだ。

 今回は、そんなマイホームの購入に関して、次のようなケースから検討してみたいと思う。

 完成したばかりの新築マンションのモデルルームに、冷やかしのつもりで奥さんと一緒に立ち寄ったAさんは、すっかりマイホーム熱に感染してしまった。

 モデルルームには、しゃれた調度品で演出された日当たりのいい快適なリビングが広がっている。奥さんは、最新仕様のキッチンやバスルームにうっとり。高層階だけにベランダからの見晴らしも抜群で、価格は破格の2700万円。そこで住宅ローンの月々返済額を計算してもらうと、頭金ゼロでも、いま住んでいる賃貸の家賃と同じ9万円。「低金利の今だから、この返済額なのです。早く決めないと売れてしまいますよ」と営業マンに迫られても「一生賃貸でいい」と突っぱねられるほどAさんは強情ではなかった。

「賃貸は死ぬまで家賃を払わないといけない。いま35年ローン組んで購入しても、出ていくお金は同じだ」。賃貸派だったAさんも、ついにそう考えるに至ったのである。

●まずは、いま住んでいる賃貸住宅の家賃の見直しをすべき

 いつからか「いま払っている家賃と比べてみてください」というのが不動産販売の定番文句になった。月々のローン返済額がいま払っている家賃と変わらなければ買わないと損、という方向に客をうまく誘導しているわけだ。

 しかし、「家賃と比べてみてください」と言われて、真っ先に検討すべきなのは、いま払っている家賃の妥当性のほうである。Aさん世帯が住んでいる賃貸住宅の家賃9万円は、近隣同種の物件と比べると、もしかしたら著しく高いかもしれない。大家に値下げ交渉をするか、もっと安い物件を探して引っ越しをすれば、たちまち家賃は7万円程度まで下がる可能性は大いにあるのだ。

 さらに言えば、これから人口減少が本格化していく中にあって、10年後には家賃が5万円台まで下がっている可能性すら否定できない。すると、住宅ローンの月々返済額9万円はたちまち「とんでもなく高い」額に変わってしまうのだ。

 マンション本体価格も、今は「安く感じられる」としても、今後、近隣に続々と同種の物件が建築され続けると、10年後には大きく価値は下がっているかもしれない。それなのに、10年たってもローン残高はたいして減っておらず、あと25年も月々9万円の返済を続けなければならない。後から振り返ってみると、Aさんの購入決断は「大失敗」と結論づけられる可能性だって、決して低くはないのである。

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