消費再増税延期は朗報?トンデモ時限爆弾仕込む財務省の愚行、露呈した専門家らの出鱈目

Business Journal / 2014年11月15日 14時0分

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 今週、政府が2015年10月に予定していた8%から10%への消費再増税を延期する方向で最終調整に入っており、安倍晋三首相は再増税延期の是非を国民に問うために衆議院を解散する意向だと一斉に報じられた。ただし、現在首相は外遊中で帰国は17日であり、首相の公式発言からはこうした話は一切聞こえてこず、憶測だけが一人歩きしている状態だ。だが、衆院議員の中にはすでに選挙事務所などを確保している人も多く、もはや解散は止められない様相を呈している。

 こうした中で、これまで再増税一辺倒であった民主党も一転して延期容認に傾いているという報道も出てきており、野党も急な選挙で混乱状態に陥っている。何しろ民主党は先の総選挙から2年も経過するにもかかわらず、全選挙区の半分にも候補者を立てられておらず準備不足だ。日本維新の会との連携も不調であり、頼みの野党間での選挙協力も期待できず、あたふたと方針を変更している。日本経済にとっては、民主党を方針転換させただけでも政府の消費再増税延期は評価できる。自民党内の増税派も姿勢を変えるだろう。

 そもそも、経済悪化の下での増税はセオリーでない。経済が悪い時には減税、良い時には増税が常識だ。何しろ4月の5%から8%への消費増税は、従来の消費増税と異なり、他の減税なしでの増税だった。引き上げ幅も3%と諸外国に比べて大きかったので、筆者の予想通り景気は悪化した。安倍首相は経済を重視しているので当然の判断ができるわけだが、再増税をしたい財務省に媚びて誤った内容を伝えるエコノミストやマスコミが多すぎる。そういった人たちの邪推を打ち砕く意味でも延期の意義は大きい。

●財務省が狙う景気条項削除

 今、財務省と首相官邸との間では激しいやりとりが行われている。財務省は、1年半の再延長を認める代わりに消費増税法に含まれる景気条項を削除せよと要求しているのだ。景気条項とは、再増税の条件として判断時の景気を見極めることを明記するものだが、これを削除するということは1年半後がいかなる経済状況でも自動的に再増税される時限爆弾といえる。経済政策としては信じ難い内容だが、経済が生き物だということを肝に銘じながら、弾力的な対応ができるよう法整備をしておく必要があることはいうまでもない。

 前述の通り、今回の消費再増税延期は日本経済にとっては朗報である。ここ数日間株式市場が上昇トレンドをみせているのは、4月の消費増税で景気が低迷していた分を取り戻しているためであろう。消費再増税を延期すると日本売りが進むという専門家の見方は早くも外れた。延期で当面経済が良くなるわけで、政府はその間に本格的な経済成長策を仕組める。さらに世界経済への貢献という点でも、日本経済が好調なほうがいい。

 ちなみに、「海外は消費再増税を国際公約とみなしているので再増税を実行すべき」という意見もあったが、米国財務長官など海外からは「見送るべき」という声も寄せられており、国際公約ではないことが明らかとなった。このように出鱈目な意見が露呈するという意味でも、再増税の見送りは評価されるべきだといえよう。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)

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