「2060年に人口1億人維持」は困難 具体的手段や根拠が不明な政府の少子化対策

Business Journal / 2014年11月25日 6時0分

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 こんにちは。江端智一です。

 2013年10月1日付の当サイト記事『驚愕の人口・高齢化予測~70年後に日本の人口は半分、40年後に人類未踏の高齢社会』において、現在の特殊出生率1.4と同程度の出生率が続いた場合どうなるかという計算結果を示しました。

・東京オリンピックが開催される2020年までに、第二次世界大戦における日本人犠牲者数310万人を超える人口が減少します。

・今の子どもたちが親になっている頃には、首都2つ分の人口が減少し、さらにその子どもが親になっている頃には、人口が現在の半分になります。第二次世界大戦の全世界の犠牲者数はおよそ5500万人との説もありますが、60年後までに日本だけで、それと同程度の人口減少が起こるのです。

 さて、政府は今月6日、1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計を示す合計特殊出生率を13年の1.43から1.8程度に引き上げる目標を掲げました。

 そこで、今回、合計特殊出生率を1.8に引き上げた場合における人口推移を再計算しましたので報告します。

●合計特殊出生率1.8でも人口1億人維持は困難

 まず、首相官邸HPに掲載されていた資料(資料1-1『「長期ビジョン」骨子(案)』 には、合計特殊出生率1.8を達成する期間が記載されておらず、「2060年には総人口は1億人程度の人口を確保」とだけ記載されていました。

 しかたがないので、「1.8、2060年、1億人」という数値だけを使って、自宅のパソコンで計算してみました。

 計算する上で考慮しなければならないのは、明日から突然合計特殊出生率が1.4から1.8に上がることはないという点です。過去1.8だった年は37年前の1977年でしたので、これから1.8に戻すには同じく37年程度の時間が必要になると仮定し、以下の3つのパターンで計算しました。

(1)現在の値1.4の場合 (現状から変化なし)
(2)政府目標の1.8の場合 (何かの奇跡が起きて、明日から突然1.8になる)
(3)1.4→1.8となる場合 (現実的に、37年間かけて段階的に増加させる)

 計算結果は以下の通りです。

(1)2030年…1億1648万人、2060年…8516万人
(2)2030年…1億2173万人、2060年…1億0022万人
(3)2030年…1億1772万人、2060年…9227万人

 これを見ると、政府案であっても2060年に1億人を維持させるのは困難であることがわかります。

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