バリスタ大国・日本?知られざる世界 コーヒー豆生産から関与、農業活性化にも寄与

Business Journal / 2014年12月2日 6時0分

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 従来の喫茶店に代わり、「カフェ」という言葉が市民権を得たのは、2000年頃に始まったカフェブーム以降だ。カフェが浸透するにつれて、コーヒー職人を示すイタリア語「バリスタ」も知られるようになった。

 近年は、バリスタの技術を競い合う大会も盛んだ。国内大会では、ドリンク作製の総合力を競う「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」、カフェラテの表面に描く模様やイラストを競う「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ」、機械などの動力を使わない淹れ方でコーヒーの味を競う「ジャパン ブリュワーズ カップ」などがあり、これらを勝ち抜いた日本王者はそれぞれの世界大会に出場できる。

 手先が器用で探求心も旺盛な日本人はバリスタのレベルも高く、「ワールド ラテアート チャンピオンシップ」において、小川珈琲に所属する女性バリスタ2人が、それぞれ10年と13年に優勝している。

 そして、14年の「ワールド バリスタ チャンピオンシップ(WBC)」で日本人として初めて世界チャンピオンに輝いたのが、丸山珈琲・小諸店に勤務するバリスタ・井崎英典氏だ。

●丸山珈琲社長が明かす「世界一への道のり」

 丸山珈琲は、社長の丸山健太郎氏が1991年に長野県軽井沢町に開いた自家焙煎の喫茶店がルーツで、05年から多店舗展開を始めた。頻繁にコーヒー豆生産地を訪れる同氏の探求心とこだわりの味が評判となり、通信販売でのコーヒー豆の取扱量も急拡大。現在は東京都内の尾山台や西麻布にも店を構える。

 前述の各大会を主催するなど、コーヒーの普及活動を行っている「日本スペシャルティコーヒー協会」の副会長やカップ・オブ・エクセレンス国際審査員を務める丸山氏は、出場するバリスタと大会について次のように説明する。

「大会に出場する人は、自分の仕事が終わってから夜遅くまで、提供するドリンクの味のバランスやきめ細やかさといった審査内容に即して自主練習をするなど意欲的です。周囲の従業員も支援しようという気になります。一方で、近年のWBCは大会規模や注目度も拡大し、卓越した個人対個人の争いというより、自動車レースにたとえればフォーミュラ1(F1)のように、企業の総合力が問われる戦いとなっています」

 14年のWBCはイタリアの観光都市・リミニで開催され、54カ国の代表が出場。予選・準決勝を勝ち抜いたファイナリスト6人が頂点を競い合った。同競技会では15分の制限時間内にエスプレッソ、カプチーノ、シグネチャービバレッジ(創作ドリンク)を各4杯提供。味わいや創造性、技術とともに、英語でのプレゼン能力が点数化されて順位が決まるという(「月刊カフェ&レストラン」<旭屋出版/14年10月号>参照)。
 
「今回の大会では『チームMARUYAMA』を結成し、出場する井崎以外に、統括ディレクター兼バリスタトレーナーの阪本義治、コーチのピート・リカタ(13年の王者)が技術面をサポートするなど総勢5人が現地に赴きました。当社は5年連続の出場で、これまで現リーテール地域ディレクターの女性バリスタ・鈴木樹らが培った経験もあり、大会を勝ち抜くノウハウを学んできました」(丸山氏)

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