環境配慮と美しい服を着る高揚。みんなに優しいドレス(後編)

cafeglobe / 2019年10月1日 20時0分

「いいモノ」であるだけでなく、それらを入手することで社会に少し貢献できたり、わたしたちをちょっとエンパワーしてくれたりする。そんなすてきなアイテムを紹介してゆくコーナー「mu_lifestyle」。

前回に引き続きご紹介するのは、自然を想う気持ちと、服を着る喜び、どちらも大切にできる新ドレスレーベル。

サスティナブル(持続可能性)な体制を築くべく、変革が急務の課題となっているファッション業界。後編では、その流れのなかでなぜこのレーベルを立ち上げたのか、デザイナーの野口アヤさんにお尋ねします。

20190928_ayanoguchiaya_5 写真左:ザクロで染めた素朴なカーキグリーンの2WAYドレス。前後着用が可能で、Vネックとボートネック、両方楽しめる。ドレス68,000円(税別)。 写真右:オーガニックコットンで仕立てた3WAYブラウス。絶妙なベージュはカカオで染めた色合いなのだそう。ブラウス39,000円(税別)。

ていねいなものづくりは、サスティナブルへの一歩

野口アヤさんといえば、手がけていたサロン ド バルコニーのあと、アートギャラリーを運営していました。

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野口アヤさん(@ayanoguchiaya)がシェアした投稿 - 2019年 9月月8日午前12時18分PDT

「オーガニックコットンの使用やフェアトレードへの参加など、10年ほど前から前ブランドでも部分的には取り組んでいました。ですが同時に、作ったものが大量に消費され、廃棄され続け、自然に重大な影響を及ぼしている一方、人びとの価値観を狂わせてもいることに対して違和感を抱いてもいました。そのため2年前、『これからわたしができることとは? すべき仕事とは?』という、未来について考えたとき、アートと関わる仕事がしたいと思ったんです。アートは、大量生産ではない美しいメッセージだと感じたので」(野口さん)

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野口アヤさん(@ayanoguchiaya)がシェアした投稿 - 2019年 9月月3日午後10時16分PDT

アートに関わる仕事を経て、ふたたびブランドビジネスに戻った理由について、こう語ります。

「この2年弱、友人のブランドにデザインで参加するなどファッションデザインにも少しだけ関わりながら生活をするうちに、いままでのキャリアをいかしつつ、わたしがするべき本当のクリエーションというものが見えてきました。それは単なるファッションブランドではなく、自分なりのメッセージ性があるデザインで、作り手も受け手も豊かな気持ちになれる、夢のあるものづくりをすること。以前やっていたような、大量生産のなかの部分的なサスティナブルではなく、すべてにおいてサスティナブルで、デザインにじっくり時間をかけた、アートに近い、ていねいなクリエーションをしたい。わたしひとりの、小さな規模からだったら、きちんと始められるのではないか、と思い立ちました」(野口さん)

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野口アヤさん(@ayanoguchiaya)がシェアした投稿 - 2019年 8月月30日午前7時01分PDT

デザインワークに時間をかけ、トレーサビリティの確保できる質の高い素材で製作する。これは、流行に左右されるため販売にスピード感が求められ、かつ、ある程度の量の在庫を抱え、物量を回転させていかねばならない大きなブランドでは実現が難しい。

アヤノグチアヤのドレスは、小規模だからこそ生み出せる、唯一無二の1着。大切に作られた、長く愛せる服といえます。

モードとサスティナブルは両立するのか

ここで1つ疑問が湧きました。

ファッションには流行があります。おしゃれ、つまりモードとは、前衛的・新しさを意味するはず。モード・ファッションを実現するには、衣服の買い替えが必要になりそう。「モード」と、「持続していくこと」の両立は可能なのでしょうか。

「両立は難しいどころか、そうでなくてはならないと常々思っていますし、それをやっていきたいと思っています。サスティナブルとは持続可能なことですが、新しくないことでは決してありません。前衛的とは、時代に先駆けていること。いくら今まで見たことのない格好良いデザインでも、持続可能でなければもはや前衛的とはいえません」(野口さん)

売る側、買う側、双方が変化すべき

ファッションのサスティナブル化は、環境や人的資源への配慮だけでは完成しません。服の売り方なども変えていく必要があります。

「シーズンごとにコレクションほとんどすべてが入れ替わり、信じられないような安価で売られるようになり、最終的には大量の廃棄物となる。焼却する際に二酸化炭素を排出し、それが蓄積され、地球を汚すことになります。このような在り方は、環境にも人にも悪影響。この悪循環をストップすべく、シーズンで切っていくような考えはやめて、価格競争やスピード競争ではない価値のもとで動いていかなければならないと考えています」(野口さん)

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野口アヤさん(@ayanoguchiaya)がシェアした投稿 - 2019年 8月月29日午前8時07分PDT

一方、消費者側の姿勢にも変化が求められていると野口さん。

「食品やコスメを選ぶときのように、安いだけで、どこでどのようにして作られたかわからないものは買わない。自分が心からよいと思うものを選ぶ目を養うことが大事だという概念が広まっていくといいですね。それこそが、服を選んで着ることの楽しさや、ひいては美しさや豊かさにつながっていくと思うんです。こうしてみんながいい循環にのっていけたら、すてき」(野口さん)

サスティナブルを、ただのトレンドにしない

ファッション・アイテムは、とかく「時代性」や「流行」と合わせて考えられることが多いため、サスティナブルなものを選ぶこと自体が一過性のトレンドになってしまう可能性もゼロではありません。

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ayanoguchiayaさん(@___aya_noguchi_aya___)がシェアした投稿 - 2019年 9月月22日午前2時54分PDT

着る立場のわたしたちにできるのは、長く、何度も繰り返し着たくなる服を買うように心がけ続けること。そうすると、おのずとアヤノグチアヤのドレスのように、大切に作られた服を選び取るようになってゆくはずです。

アヤノグチアヤ

電話:03-6886-8048(シソン)

[アヤノグチアヤ, シソンギャラリー]

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