介護報酬改定 vol.2 法改正が現場職員に与える影響

けあZine / 2014年11月26日 7時0分

前回に続き、今回は報酬改定での小規模デイサービスにおける変更点が、現場に与える影響について考えてみる。

経営者だけではない、現場にとっても切実な影響が・・

 前回、平成27年度介護報酬改定での小規模デイサービスの変更点を列挙してみました。とても大きな変更点がたくさんありましたが、現場の介護職員はそれほど法改正の行方に敏感ではないように感じます。話が出るのは、「報酬が減らされてどうやってやりくりしていくのか?」という経営者サイドの声が多いように思えます。

 しかし、現場で働く人たちにとっても、法改正は本来、とても影響のある出来事のはずです。現場の職員にとって、どんな影響があるのか考えてみました。 介護報酬減で、人件費(給与・賞与)が削られる可能性がある。また、昇給ができなくなる可能性がある=年収減

認知症介護実践者研修修了者(認知症対応)、看護師(重度対応)、理学療法士等のセラピスト(総合訓練)など有資格者中心の機能評価及び加算算定となるため、相対的に介護職員の社会的地位がますます低くなるのでは?

迎え、送りに併せて訪問介護のような仕事もこなさないといけなくなる



というような点があげられると思います。

 これらは、けっこう切実な問題だと思います。もうほぼ決まっているようなものなので、いまさらこれをどうこう出来るわけではないのですが、デイサービスの在り方が変わっていくなかで、現場職員の在り方も変わってくることになるのだと思っています。

報酬減で人件費が削られる可能性も

 1点目についてもう少し詳しく説明したいと思います。

 現在、小規模デイサービスの客単価は約1万円程度だと思います。ちなみに私が運営しているデイサービスは10,700円前後です。

 定員10名で月25日営業(日曜休み)、稼働率が7割とすると、事業所の収入は10(定員)×25(営業日)×0.7(稼働率)×10,000(単価)=1,750,000円です。人件費率を収入の5割程度だとすると875,000円です。経営者はだいたいこのラインを意識しているのではないでしょうか。

 管理者兼生活相談員1名、介護職員2名、機能訓練指導員1名で運営しているとすると、一人あたり218,750円です。管理者、生活相談員、機能訓練指導員は介護職員よりも給与が高いのが一般的ですので、介護職員の給与はこれよりも減ることになります。これも稼働率7割を達成しての話です。これが10%の報酬減になるとしたら、上記の例では月に175,000円のマイナスです。

 経費削減で埋め合わせができればいいですが、消費税も上がってくる中で月に17万円以上も経費削減するのは容易ではありません。できても数万円程度でしょう。この先は経営者の考え方によって大きく変わってくると思います。人件費を削る、稼働率を上げる、定員を増やす、役員報酬を下げるなどいろいろな対策を、経営者の考え方によりバランスをとってやっていてくことになると思います。これまでと何も変わらずにやっていける事業所はほとんどないでしょう。

誰の人件費が削られるのか? 現場職員ももっと声を上げていく必要がある

 もし人件費を削るとすると、誰の人件費を削るでしょう? 機能訓練指導員のほとんどは看護師・准看護師です。看護師不足、確保困難はもはや説明するまでもないです。管理者や生活相談員も資格要件があり人材確保は簡単ではありません。とすると配置のみを考えると資格要件も経験も必要ない介護職員に焦点があたってくるのではないでしょうか? シビアに合理的な選択をしていくと、こうなる可能性もあるわけです。

 しかし実際は、介護職員の質が事業所の質を左右しているといっても過言ではないほど重要な役割を担っています。介護職員処遇改善加算は手厚くなりそうですが、それがどの程度給与に反映されるのかはまだわかりません。

 経営者ではなく、現場で活躍している介護職員ほど声を上げていかなければならないのではないでしょうか? それとも、大好きな介護の仕事ができるなら給与はいくら低くても構わないって思っているのでしょうか? でも正直者が馬鹿を見るような世の中は嫌ですね。もっと介護職員の評価・待遇が上がっていってほしいと思います。

 第115回の介護給付費分科会では介護職員処遇改善加算についても話されました。これは介護職員の質というより、組織の質を評価して介護職員の待遇に反映させるというものです。就職売り手市場の介護職員は職場選びもとても重要ですね。

けあZine

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