訪問介護の要であるサービス提供責任者とケアマネの関係は?

けあZine / 2014年12月15日 7時0分

サービス担当者会議では遠慮がちで、ともすると発言の少ないサービス提供責任者だが、実はケアマネの作成したケアプランを理解して肉付けし、実際のサービスのかたちに落とし込む重要な役割を担っている。場合によってはケアプランへのダメ出しだってできるはず、と筆者は考える。

訪問介護における支援の難しさ

 介護支援専門員がクライエントに対して支援を計画して行くときに、最も難しいサービス種別が訪問介護である。

 訪問介護は、利用者の自宅を訪問し、利用者と一対一で支援を提供することが基本形であり、時には家族を支援対象者とすることもある。さまざまなニーズに的確に対応した支援を提供することで、初めて「在宅生活が持続可能」になるからだ。

 一方で、「介護」という直接的な支援だけでなく、「家事」という生活上の支援や、時には「相談」への対応、そして「情報提供」という支援も欠かせない。さらにはこれらの支援を「どのように提供するか」がより重要視されてくる。いちばん「生活に密着している」支援だからこそ、いちばん難しい支援なのだ。

 つまり、ヘルパー支援の結果が、在宅生活の今後を大きく左右することになる。介護支援専門員が訪問介護を、最も難しいサービス種別と感じる理由はそこにある。

サービス提供責任者の3つの役割

 サービス提供責任者は、介護支援専門員の作成する居宅サービス計画に基づき、訪問介護個別援助提供計画を作成することが、その主たる役割だ。つまり居宅サービス計画の「目的」「目標」を理解し、これを達成するために、具体的にどのような支援を、どのような手順で、どれくらい提供し、さらにその結果を支援者チーム全体にフィードバックして行くのか、といった活動を求められている。

 言い換えれば、サービス提供責任者の第一の役割は、担当者会議を通じて居宅サービス計画を「読解」し、支援全体の「目的と目標」を理解し、それをかなえるための訪問介護で提供する支援を、利用者個人の特性と個別性に応じて具体的な「手順書(プログラム)」へ転換する機能を果たすことである。

 第二の役割は、個別援助計画書を通じて直接的にクライエントを支援する訪問介護員に対して、居宅サービス計画書の「目的と目標」を伝え、「ヘルパーが何のために支援をするのか」を理解させることである(これをしないとヘルパーは「何のために支援をしているのか」がわからず、モニタリングが困難になる)。さらには、このことが継続的に理解され、実践されているかを追跡確認し、着実に実践されていくための管理を行う。

 第三の役割は、直接的に支援を提供した訪問介護員の収集した情報を管理し、他の支援者メンバーに遅滞なく情報提供をして行く「発信者」となること。同時に他の支援者からの情報を直接の支援者である訪問介護員に遅滞なく伝えていく「発信者」にもなることである。

ケアマネジメントにおけるサービス提供責任者のポジション

 ケアマネジメント展開過程におけるサービス提供責任者の位置付けは、介護支援専門員と訪問介護員とを結ぶ「パイプ役」だ。つまり居宅サービス計画と直接的実践を「結び付けるパイプ」が「訪問介護個別援助計画」で、それを作成することを通じて介護支援専門員と訪問介護員とを「結ぶパイプ」となる。

 そのため、前述したようにサービス提供責任者には、居宅サービス計画を「読解する力」が不可欠となる。そして時には居宅サービス計画に対して助言したり、修正を求める力も必要だ。そうでなければ「パイプ役」を果たすことはできない。

 つまり、居宅サービス計画の「目的や目標」を理解すること=居宅サービス計画がどのような根拠に基づいて作成されているかを理解すること、であり、サービス提供責任者は、居宅サービス計画とその根拠となったアセスメント結果を検証して、個別援助計画へと転換する。

 必要十分な居宅サービス計画が作成されているかどうか、をサービス提供責任者がわからなければ、場合によっては法令に反した支援を提供しなければならなくなったり、意味のない支援を提供しなければならなくなってしまう。

 そういった意味では、所属する事業所が「介護保険法令の主旨」に適合した支援を提供し、「介護報酬算定要件を充たした」支援の提供を担保し続けているかどうかは、サービス提供責任者の仕事次第ということにもなる。

「生活機能向上加算」におけるヘルパーの役割への期待と実際

 現在、訪問介護では「生活機能向上連携加算」が設定され、訪問リハビリテーションとのコラボレーションで、在宅における「リハビリテーション機能がある身体介護」を提供すると、報酬上のインセンティブが与えられる仕組みができている。

 しかし残念なことにこの加算、なかなか算定されているケースが少ない(0.032%しか算定していないという実績(より))。

 今後、今まで以上に「リハビリテーションの充実」が求められるようになり、それを「リハビリテーション専門職だけ」で実践していたのでは、対処して行くことが不可能だからである。求められているリハビリテーションを実践するためには、この加算を活用した支援の必要性がますます高まってくる。

 当然ヘルパーだけでなく介護支援専門員もこの加算についての理解を深め、コラボレーションに向けた活動をして行くことが求められてくるだろう。

担当者会議で、時にはケアプランのダメ出しをする必要も

 こう考えていくと、サービス提供責任者はかなりの重責を担っていることになる。

 とりわけ、サービス担当者会議における居宅サービス計画原案の内容を検証する、という機能は、今までのようなケアマネからの「言いなり状態」では、まったく果たしていけないだろう。

 「専門職の、専門的見地に基づく」検証のためには、意味不明な居宅サービス計画を、「そのまま」にしておいてはいけない。

 介護支援専門員の力量を高めていくためには、サービス提供責任者の、「こんな計画では支援が提供できない」という言葉も必要となってくる。

けあZine

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