『3月のライオン』に上海っ子「日本映画の深み感じる」

シネマトゥデイ 映画情報 / 2017年6月19日 21時55分

『3月のライオン』上海国際映画祭上映時 - 現地観客と大友啓史監督

 中国・上海市で開催中の第20回上海国際映画祭で、『3月のライオン』の前後編が6月17日から18日にかけて2夜連続で上映され、両日とも大友啓史監督が登壇。既に公共交通機関の運行が終わった遅い時間帯にもかかわらず大勢の日本映画ファンが会場に残り、大友監督と交流していた。

 『3月のライオン』には、声優出演作『君の名は。』が中国でもヒットした主演の神木隆之介をはじめ、最近の出演ドラマがインターネットなどで上海っ子にも視聴されている高橋一生、日中合作映画『空海-KU-KAI-』が控える染谷将太、『映画 ビリギャル』が中国でも公開された有村架純、「SPEC」シリーズの加瀬亮など、現地の日本映画・ドラマファンの間で人気の高い俳優が多数出演。上映後のQ&Aでは、キャストに関する質問が相次いだ。

 キャスティングの際のポイントを聞かれた大友監督は、「一緒に仕事をする俳優は、過去の出演作もよく見ていて、彼らが今まで演じたことのないような役をやってもらいたいと思っている」と回答。「今回、気の強い突っ張った役をお願いした有村架純さんはその典型」と説明すると、観客は納得の面持ちに。「好きな日本の俳優は誰か」という質問もあがり、監督が「僕にとって好きな役者と仕事をするのは大きなモチベーション。『3月のライオン』以外にも、一緒に仕事をしている俳優はみんな好き」と佐藤健や小栗旬ら現地でも人気の高い俳優の名前を口にすると、会場からは歓喜のどよめきが上がっていた。

 上海国際映画祭では、普段現地で観る機会が少ない日本映画の人気は高く、チケットの入手が難しい。なかにはチケットが買えず後編だけ観たという観客もいたが、「感情表現がとても細やか。主人公の家族の愛情に対する飢えや将棋を通じて成長する様子がよくわかって、十分心を打たれた」と満足した様子で語っていた。また、「特に日本映画ファンではないが、趣味で小説を書いており、インスピレーションを得たくて映画祭で手当たり次第映画を見ている」という20代の女性は、「中国でも『3月のライオン』のように人気俳優を大勢集めた映画は多いけど、パッケージだけが豪華で心に響かない作品が多い。日本の映画は小さなディテールを積み重ねていき、それが深みになっていると感じる」と述べた。

 同映画祭には大友監督の作品『ミュージアム』も出品されている。どちらの作品も上海の映画ファンと一緒に鑑賞した大友監督は、「笑いのポイントや、息をのむようなシーンは、とても素直なリアクションをして見てくださる。気持ちいいですよね」と笑顔を見せる。現状、中国には外国映画の輸入本数に制限がある。「日本の映画を渇望してる気がしますよね。インターネットの影響もあって、僕らが思っているより、日本の文化がたくさん中国に入ってきている。日本語を勉強されている方や、日本の漫画が好きな人もたくさんいるし、もっと知りたい、触れたいと思っている人が多い。中国に来るたびにそう思います」と監督は述べていた。(新田理恵)

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