日本の人形アニメ特集上映がアヌシー映画祭で満席!アニメ作家村田朋泰が手応え明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2018年6月28日 21時1分

文化庁メディア芸術祭海外展にインスタレーション作品「Mt.Onokoro」や『家族デッキ』のミニチュアセットを出品した村田朋泰監督(アヌシー国際アニメーション映画祭のマーケット会場MIFAにて)

 NHK Eテレ「プチプチ・アニメ」の「森のレシオ」やMr.Children「HERO」のミュージックビデオを手がけた映像作家・村田朋泰監督の特集が、このほどフランスで開催された第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で特別上映された。

 現在、自身の特集上映では初の全国展開となる「村田朋泰特集・夢の記憶装置」が順次公開中だが、世界最大規模のアニメーション映画祭で着目されたことで、今後さらに活躍の場が広がりそうだ。

 村田監督は東京芸術大学修士課程美術研究科デザイン専攻出身。チェコの人形アニメーションに魅了され、在学中からコマ撮りによる人形アニメーションを制作し、一人暮らしの老人が日々の暮らしからふと、遠い記憶を巡らす『睡蓮の人』(2000)で2001年の第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の優秀賞を受賞。子供を亡くした男性の心の旅を描いた『朱の路(あかのみち)』(2002)は第9回広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞を獲得している。

 村田作品の特徴はセリフがない。しかし文楽などから影響を受けて制作された人形たちの繊細な表情が、言葉以上に感情を伝え、ノスタルジックな色調とリアルなミニチュアセットや小物たちが観るものの記憶を呼び覚まし、それぞれの物語を紡いでいく。東日本大震災以降は全5部作による「生と死にまつわる記憶の旅」シリーズに取り組んでおり、日本の実写作品が避けがちなテーマにも果敢に挑んでいる。

 今回のアヌシーでは旧作の特集上映のみならず、マーケット会場MIFAで行われた文化庁メディア芸術祭海外展「TOKYO SCRAMBLE - アニメーションが描く東京」にも参加。『家族デッキ』(2007)で使用された理髪店のミニチュアセットや、2016年にアメリカ・ニューヨークで行われたアートフェア VOLTA NY で発表したインスタレーション作品「Mt.Onokoro」などが展示され、その精巧さに多くの者が足を止め、中には何度も鑑賞に来た熱心な人もいたという。

 特集上映も175席の会場が満席となり、反響の大きさに村田監督は「日本で認知、受容されているアニメーションは2Dアニメーションが中心。海外の方々からすると、日本の人形アニメーションを見る機会がほとんどないようで、興味の対象として受け入れらたようです。今回をきっかけにアニメーションの多様な価値観を海外にアピールできたのではないかと感じました」と語る。

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