新海誠監督『天気の子』食事シーンのこだわりを語る!

シネマトゥデイ 映画情報 / 2019年7月28日 6時15分

3年ぶりの新作『天気の子』が公開中の新海誠監督 写真:中村嘉昭

 新海誠監督最新作『天気の子』が公開され、大きな反響を呼んでいる。ストーリー、映像、音楽……と語りどころが満載のなか“食事シーン”へのこだわりについて新海監督が公開前のインタビューで語った。

 『星を追う子ども』や『言の葉の庭』『君の名は。』など新海監督作品には、印象的な食事のシーンが数多くある。本作でも、主人公・帆高がさまざまな場面で料理を作ったり食事をしたりする様子が印象的に描かれる。

 新海監督は「物語のなかで、食事のシーンというものはとても大切であり、いろいろな意味が重なる。誰かと食事をするとき、お互いの口のなかを見せ合うという意味ではとても無防備な瞬間であり、関係性を投影できるんです」と強く意識しているそう。

 さらに新海監督は「人が違う土地に行き、そこでその土地のものを食べることは、そこの住人になるという側面もあると思う」と続ける。『君の名は。』で主人公・瀧が糸守町を探しにやってきた飛騨の食堂で、高山ラーメンを注文するシーンがあるが、そこでも食事を通して、町の人との距離が縮まった。

 「この映画は帆高が、『東京と(ヒロインの)陽菜』を探していく映画。その意味で、この作品のなかで、帆高が東京でご飯を食べるシーンはすごく大事です。誰によって食事をもたらされるのか、誰と一緒に食べるのかという流れを組み立てるのは、すごく重要でした」

 こうした食事シーンへのこだわりというのは、新海監督がこれまで観てきた作品からも影響を受けているという。

 「食事のシーンが魅力的に描かれている作品はたくさんありますが、なかでも宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』の食事シーンが忘れられないです。あの作品で、カリオストロ伯爵がゆで卵をスプーンで食べるシーンがあって、そのあとのシーンで、銭形警部がカップ麺をすすっているのですが、カップ麺の方が美味しそうなんですね。いつどこで、どんな状況でものを食べるかで意味が変わってくる。それだけ映像のなかの食事シーンというのは魅力的な描写だと思うんです」

 その意味で、離島から家出してきた帆高のキャラクターを考え、料理のシーンを入れたという。新海監督自身は料理をしないため、絵コンテの段階で家族やスタッフに相談し、リアリティーを追求した。レシピ動画などで知られるクラシルなどにも協力をあおぎ、「育てている豆苗やねぎを切って、そこにポテトチップス、卵を落とし入れたチャーハンを開発していただき、実際に作ったものを映像に落とし込んでいきました」。

 帆高の食事シーンに注目してみると、彼の生き方、感じ方など奥にある人間性がより理解できるかもしれない。(取材・文:磯部正和)

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