「ドラえもん」「ルパン三世」続々立体化 山崎貴監督がビッグタイトルに挑む理由

シネマトゥデイ 映画情報 / 2019年12月5日 8時10分

『ルパン三世 THE FIRST』より (C) モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会

 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『STAND BY ME ドラえもん』『寄生獣』などビッグタイトルの実写・アニメ化を多く手掛け、ヒットさせてきた山崎貴監督。最新作は、原作コミック誕生から50年以上にわたって愛されている『ルパン三世』のアニメシリーズ初となる3DCG映画『ルパン三世 THE FIRST』(12月6日公開)。本作の公開を前に、作品に込めた思いやその舞台裏、ビッグタイトルの映画化に対するスタンスを語った。

 モンキー・パンチ原作の「ルパン三世」は、1971年にテレビアニメシリーズが始まって以来、テレビシリーズ、テレビスペシャル、映画と多彩に展開してきた。コメディータッチからシリアス系までそのテイストもさまざまだが、山崎監督が目指したのは、誰もが楽しめるエンターテインメント。「アクションや謎解き、どんでん返しなど“This is LUPIN(これがルパンだ)”という作品にしたかった」という。大切にしたのはルパンと仲間たちの関係性。「時に相手を裏切りながら、でも友情で結ばれている。追いかける銭形警部を含め、彼らの不思議な仲間感は不可欠ですね」。そんな今作の時代背景は、1960年代後半に設定された。「原作の連載がスタートした時代ですし、ルパンは現在のようなハイテクな世界よりも、どこかロマン漂う時代が似合うと思います。物語に古代文明を絡めるなど、センス・オブ・ワンダーも大切にしました」とこだわりを語る。

 『ルパン三世 THE FIRST』のストーリーの軸となるのは、財宝の謎が秘められた機械仕掛けの日記帳、ブレッソンダイアリーの争奪戦。ここにたどり着くまでに多くの案が出たという。「シェイクスピアの財宝を探すなど無数のアイデアを話し合い、最終的に古代遺跡を絡めた話になったんです。初期の内容はほぼ残っていません(笑)」と振り返る。さらにピクサーなどハリウッドで採用されている映画の簡易試作版となるストーリーリール(原画を映像化したもの)を作り、細部を調整した。「映像は手描きのスケッチですが、音楽やセリフはすべて入っているので映画を観ている感覚になれる。これを大勢の人に観てもらい、そこで出た意見を参考に3回ほどストーリーリールを作りました。中にはネガティブな意見や鋭い指摘もあり、精神的につらかったです(笑)」と舞台裏を明かした。

 本作は『ルパン三世』初のフル3DCG作品。山崎監督はビジュアルにあたって、手描きと3DCGの持ち味を組み合わせた。「立体的なアクションなど3DCGの利点を生かしつつ、キャラクターの動きや表情は手描きの“らしさ”を引き継いでいます。モーションキャプチャにすれば作業が軽減され予算も抑えられますが、それだとルパンらしさが出ない。キャラクターはアニメーターの手作業が一番だと思っています」。例えば、ルパンがジャンプしながら服を脱ぎ捨てる“ルパンダイブ”は「3DCGだと生々しくなってしまう」ので残念ながら見送ったという。演出には実写の手法も取り入れた。「最初に声を収録する時、役者さんには実写と同じように演出しました。その声のニュアンスを元にアニメーターたちが繊細なお芝居を付けていく。カメラワークもアニメでは何でも可能になりますが、違和感が出ないよう、基本的には実写で撮影可能な映像をベースにしています」

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