映画人有志が「日本学術会議への人事介入に対する抗議声明」発表

シネマトゥデイ 映画情報 / 2020年10月5日 19時3分

画像はイメージ iStock.com /Aude Barge / EyeEm / Getty Images

 5日、菅義偉首相が日本学術会議の推薦した新会員候補者のうち、6名を任命しなかった件について、映画人有志22名が、連名で「日本学術会議への人事介入に対する抗議声明」を発表した。

 声明では、今回の問題について「この問題は、学問の自由への侵害のみに止まりません。これは、表現の自由への侵害であり、言論の自由への明確な挑戦です」と発表。任命除外を放置すれば「政権による表現や言論への介入はさらに露骨になる」と危惧を表明している。(編集部・入倉功一)

22名の映画人は以下の通り。青山真治(映画監督)、荒井晴彦(脚本家・映画監督)、井上淳一(脚本家・映画監督)、大島新(映画監督)、金子修介(映画監督)、小中和哉(映画監督)、小林三四郎(配給)、是枝裕和(映画監督)、佐伯俊道(脚本家・協同組合日本シナリオ作家協会理事長)、白石和彌(映画監督)、瀬々敬久(映画監督)、想田和弘(映画監督)、田辺隆史(プロデューサー)、塚本晋也(映画監督)、橋本佳子(プロデューサー)、古舘寛治(俳優)、馬奈木厳太郎(プロデューサー・弁護士)、三上智恵(映画監督)、森重晃(プロデューサー)、森達也(映画監督)、安岡卓治(プロデューサー)、綿井健陽(映画監督・ジャーナリスト)

「日本学術会議への人事介入に対する抗議声明」(原文ママ)

菅義偉首相は、政府から独立して政策提言する日本学術会議の新会員について、会議が推薦した105名のうち6名を任命しませんでした。

同会議が推薦した候補を首相が拒否するのは本来あってはならないことです。1983年には当時の中曽根康弘首相が「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立はあくまで保障される」と答弁しています。この答弁を引き合いに出すまでもなく、憲法23条は「学問の自由は、これを保障する」と定めています。この規定は、単に個人が国家から介入を受けずに学問ができることだけでなく、大学など公的な学術機関が介入を受けずに学問できることまで保障しているとの考えが通説になっています。元々、日本学術会議は、第二次世界大戦に科学が協力したことを反省し、1949年に設立されたもので、内閣総理大臣が所管し、経費は国費負担としつつも、独立して職務を行う「特別な機関」と位置づけられました。

除外された6人の候補者は、安保法制や共謀罪に異を唱えた学者たちです。今回の任命拒否は、会議の理念を踏みにじるだけでなく、「会議の自律性とそれによって守られる学問の自由への挑戦」であり「政府に批判的な研究者を狙い撃ちにし、学問の萎縮効果を狙ったとみられても仕方ない」(江藤祥平上智大学准教授)ものです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング