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山口馬木也、俳優業は“永遠の憧れ” 話題沸騰『侍タイムスリッパー』で見えた現在地

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月23日 8時10分

誰にも渡したくなかった新左衛門役

 山口自身のハマり役となった高坂新左衛門だが、安田監督によると、もともとは新左衛門の“因縁の相手”である風見恭一郎(冨家ノリマサ)役で山口を起用することが想定されていた。

 新左衛門に違う俳優がキャスティングされたかもしれない。その可能性を想像した山口は「僕は嫌ですね」とキッパリ。「やっぱり愛着がありすぎて……。もう愛おしいといいますか、あの役を他人に(渡すこと)はすごく嫌です。もちろん、風見恭一郎役は素晴らしいですし、冨家さんが立体化して魅力的なキャラクターになりました。それでも、やっぱり演じたいのは新左衛門です」

 台本を読んだ時から、新左衛門を「すごく身近に感じた」と山口。「役の半分以上は相手であったり、周囲が作ってくださることが、僕の中で原則としてあります」と語る通り、新左衛門は「周りが作ってくれたキャラクター」だという。

 途中から、山口の中に“新左衛門の血”が流れ始めたといい、撮影現場ではキャラクターと同化して「侍になりきっていたりするんです」とその感覚を表現する。新左衛門として会津弁のセリフを放った際には、安田監督が目を潤ませて「やっと(新左衛門に)出会えました」と山口に伝えるほど、撮影現場では新左衛門としての人生を生きていた。

「俳優になること」に憧れ続けている人生

 同じインディーズ映画で社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』と同じ道を辿っていることから、「第二のカメ止め」としても注目されている『侍タイムスリッパー』。安田監督を「恩人」と表現した山口は、「この作品は、僕の中では忘れられない大きな分かれ道になる作品。監督が自らお金を出して、真っ白なキャンバスから死ぬ気で生み出して、決して自分を卑下して言っているわけありませんが『そこで僕を起用するか?』という話なんですよ。安田監督の中では、本当に賭けですから。僕を起用してくださったことが、未だにすごく不思議です。これが一番の奇跡かもしれません」と感謝をにじませる。

 『侍タイムスリッパー』で新左衛門と出会っていなければ、「ここまで大勢の方に見ていただいて、認知されるっていうことは多分なかったはずです」と続けた山口。「この大きな分かれ道に、安田淳一監督がいることは間違いないです」と力強く語った。

 そんな山口に今後のビジョンについて聞いてみると、「それが、ビジョンがないんです」と意外な答えが返ってきた。「それってなぜだろうと思うんです……。もちろん、ご縁があったら嬉しいことですが、それ以上に自分がこういう役をやりたいとか、 もともとないんですよ。ハリウッド進出とかも考えていません」

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