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「光る君へ」最終回で源氏物語の謎にアンサー チーフ演出・中島由貴が語る

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月15日 21時15分

 「光源氏イコール藤原道長というわけではない」というが、先のまひろのセリフでは、光源氏が道長を指すようにも受け取れる。結局、光源氏とは誰を指しているのか……?

 「ドラマでは、もともと道長一人が光る君というつもりで描いてはいなくて。実際、紫式部も一人をモデルにしたわけではないのではないでしょうか。ものすごい知識を持った女性があれだけの大長編を書き上げるっていうことを考えた時に、そんな単純じゃないよねって。つまりモテモテのイケメン男を描きたかったわけでは絶対にないと思っていて。改めて『源氏物語』を読んだ時に、光源氏って全然いい男じゃないなと感じたので、“なんでこんな男を書きたかったのかな”ということを想像したり、紫式部の脳内に少しでもダイブしないと、ドラマに落とし込めない。いろいろ本も読んだのですが、光る君を主人公にした決定的な答えは見つからず、もしかしたら光る君には女性を照らす光であるような意味合いが込められていたんじゃないかと解釈し、台本に入れました。最終回に菅原孝標の娘がまひろに“光る君とは女を照らし出す光だったのです”と話す場面がありましたが、光る君は女性たちを照らす光という役割であり、光る君をあちこち行かせることでさまざまな女性たちを描きたかったのではないか。と、我々としては提示してみましたので、そういう意味では、まひろにとって道長はまひろを照らしてくれた光なんですよね。光が消えてしまう瞬間は道長の死を示唆することでもある。ゆえに光る君の死は書けなかったのだと」

 ところで最終回に突如として登場したちぐさ(菅原孝標の娘/吉柳咲良)は、のちに「更級日記」を生んだ女性。日記には、憧れた「源氏物語」についても綴られている。彼女を登場させた理由は「作者は決して語らないであろう『源氏物語』の、我々なりに考えた解釈を語ってもらう」ことが目的の一つだったという。

 「紫式部に限らず、世の作家は決して自分の物語の解釈を言わないと思うんですよね。ちぐさは『源氏物語』オタクなので彼女なりの解釈はきっとあるだろうなと。まひろと会わせたのはドラマとしての遊び心。原作者を目の前にしてどんな会話になるんだろうと考えた時に、源氏物語オタクから一つの見方を投げかけてもらおうと思いました」

 ところで、昨年の「どうする家康」の徳川家康(松本潤)、一昨年の「鎌倉殿の13人」の北条義時(小栗旬)しかり、多くの大河ドラマでは主人公の死までを描いてきたが、本作ではまひろの死は描かれず、武士が台頭する中で旅立つところで幕を閉じた。中島は、ラストシーンは「最初にほぼ決まっていた」といい、主人公の死を描かなかった理由をこう語る。

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