「実は動物的…」「意外な効果も」カレーで母、香水で元カノ… 香りで記憶が甦ってくるナゾ

citrus / 2019年7月17日 16時0分


■それは「プルースト現象」というもの!


夕方に住宅街を歩いていると、どこかのご家庭からカレーの匂いが漂ってくること、ありますよね。そんなとき筆者は、幼少期に母親からこっぴどく叱られた日のことを鮮明に思い出します。


ろくに勉強もせずにテストに臨み、当然ながら低い点数になってしまったのですが、母親は点数が悪かったことではなく、悔しがっていない筆者の態度に怒っていました。筆者は「なるほど。テストができなかったことよりも、必死に頑張っていなかったことが悪いんだ」と、子供ながらに感じた記憶が思い出されるんです。というのも、その日の夕飯はカレーで、ちょうど母親がカレーを煮詰めながら僕を叱っていたんですよね。


――さて、特定の香りを嗅ぐと、その香りに紐づけられた記憶が甦ったという経験、みなさんもあるんじゃないでしょうか?


筆者の場合は「カレーの匂い⇒子供のころに母親に叱られたこと」ですが、例えば元カノがつけていた香水の香りを嗅ぐと、元カノと行ったデート先の風景を思い出す……なんてこともあるでしょう。


この特定の香りを嗅いで関連した記憶を思い出すことを、「プルースト現象(プルースト効果)」と呼ぶんだそうですよ。


プルーストとはフランスの小説家マルセル・プルーストのこと。マルセル・プルーストが書いた小説の中で、主人公が紅茶に浸したマドレーヌの香りから幼少期の記憶が甦るというシーンが描かれていて、そこから「プルースト現象」と名付けられたんだとか。


では、なぜ香りが記憶と結びついているのかというと、それは動物にとって香り(匂い)が生存していくうえで、とても大事な情報だからなんだそうです。例えば野生の草食動物なんかは、天敵である肉食動物の匂いから危険を察知しなくてはいけないですし、貴重な食料となる果物の匂いなどに気付けないといけませんよね。


また、香りは脳の中でも直接、記憶に関わる海馬や偏桃体に働きかけるということも、多くの学者たちの研究の結果でわかっています。特に人間が感じる香りは、喜び・怒り・悲しみといった感情の動きと結びつきやすいとのこと。さらにプルースト現象を起こす香りには、脳を活性化させたり、免疫力を向上させたりする効果があることもわかっているんだとか…!


“香りが思い出を蘇らせることをプルースト現象と呼ぶ”――ということを知ったという記憶も、今、みなさんのまわりに漂っている香りに紐づけられて、いつかふと思い出すかもしれませんね。



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