「水から水素を作る」ホンダと岩谷産業の『スマート水素ステーション』とは?

clicccar / 2014年9月25日 8時3分

いままで法人向けなどのリース販売だったFCV(燃料電池車)が、2014年度内のトヨタを皮切りに、2015年のホンダ、日産は2017年頃など一般向けに販売される時代がやってきました。

FCVの大きな課題は、車両価格とインフラの整備でしょう。トヨタのFCV発売予告発表会では、しきりに「鶏と卵」のたとえ話を聞きましたが、「クルマ(FCV)を先に出すか、インフラ(水素ステーション)を先に作るか」という話ではなく、同時に進めていくというトヨタと経済産業省の担当者のプレゼンからも強い意気込みを感じました。

しかし現実には、ガソリンスタンド並とはいわなくても、EVやPHV用の充電スポットくらいの数がないと、いくらFCVの航続距離が長い(トヨタFCVは10・15モードで約830km)とはいえ、FCVを買えたとしても燃料切れ(水素欠)が不安でなかなか手を出せないはず。

ホンダは、さいたま市と岩谷産業と共同で、ホンダの独自技術である高圧水電解システムを採用したパッケージ型「スマート水素ステーション」を、さいたま市東部環境センター内に設置し、先日引渡し式を行ったとのことです。

水素の作り方には、天然ガスや石油を原料とする「水蒸気改質」が世界的にも最も普及しています。化石燃料が必要で、高温下で水蒸気を反応させることで水素を作るのですが、反応するまで時間がかかるそうです。

ほかにも、燃料に空気を交合させて水素と一酸化炭素を生成する「部分酸化改質」、石炭(コークス)から作る方法などもあり、いずれも化石燃料が欠かせません。

一方、化石燃料を使わずに水から作る方法もありますが、電気分解には電力が欠かせず、こちらもコストや環境面などの課題も残ります。

ホンダではソーラー水素ステーションの開発に取り組んでいて、CO2ゼロで水素を作り出すという実証実験も進めています。

今回、設置されたスマート水素ステーションは、コンプレッサー不要の高圧水電解システムで、ホンダ独自の技術。なお、コンプレッサーを起動させる際に消費電力が大きくなるとのこと。

また、水素ステーションのサイズが小さく、高圧水素タンクから充填ノズルまでの主要構成部位を世界で初めてパッケージ型に収納。設置工事期間と設置面積の大幅な削減が可能になったのが特徴です。
また、さいたま市東部環境センターでは、ゴミ焼却の余熱を利用した廃棄物発電の電力によって水素を作っています。

ゴミ焼却の余熱を利用した廃棄物発電の電力など、こうした電力はあちこちにあるわけではないかもしれませんが、電気分解に欠かせない電力を無駄なく活用する試みは見逃せません。

ホンダでは、「簡便で(Simple)、小さく(Small)、持続可能な(Sustainable)」というメリットを兼ね備えた「スマート水素ステーション」を市街地に設置できるように、岩谷産業とともに実証実験を重ね、関係省庁と規制適正化を進めていくそう。

さいたま市は外部給電機能装備の燃料電池自動車「FCXクラリティ」を公用車として活用し、ホンダや岩谷産業は「スマート水素ステーション」の実用化に向けたデータの収集とさらなる普及タイプの研究を推進する構えです。

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(塚田勝弘)

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