新型レガシィがエンジンの80%を新造した3つの理由

clicccar / 2014年11月10日 11時33分

新型レガシィB4、アウトバックともに日本国内仕様のパワートレインは一種類。

2.5リッターの自然吸気エンジンに、リニアトロニックと名付けられたCVTを組み合わせ、トランスファーにより駆動をコントロールするAWDシステムが採用されています。

●新型レガシィ エンジン諸元
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC ポート噴射
エンジン型式:FB25
総排気量:2498cc
圧縮比:10.3
最高出力:129kW(175PS)/5800rpm
最大トルク:235Nm(24.0kg-m)/4000rpm
使用燃料:レギュラーガソリン

このエンジン、スペックや型式だけ見ると、旧型からキャリーオーバーに思えますが、じつは8割のパーツを新造しているといいます。ピストン、吸気バルブ、ヘッドは完全新設計。大物パーツで変わっていないのはクランクシャフトとオイルパン、カムカバーくらいなのです。

インテークマニホールドは、TGV(タンブルジェンレーションバルブ)を一体化した新設計。吸気の流し方を一新。大径化されたインテークバルブを通った吸気の勢いを保ったまま、ヘッド側の燃焼室に沿って流すことで、シリンダー内での渦を強化しているといいます。

また、これまで左右で異なる設計となっていたピストンは左右共通となり、また動的な重量バランスも改善されています。もちろん大きくなったインテークバルブに合わせてリセスの形状は変更されていますし、圧縮比の上昇(10.0→10.3)にもピストンの変更は貢献しています。

そのほかエキゾーストマニホールドのレイアウト変更、クールドEGRの性能向上など、細部まで進化したエンジンで、「フェイズII」と呼びたくなるほどの内容となっています。

 

一見するとキャリーオーバーにも見える2.5リッターガソリンエンジンを、ここまで進化させることができたのには、3つの理由があります。

1.グローバルエンジンだから

新型レガシィ・アウトバックは世界中で販売されます。日本国内向けは2.5リッターガソリンエンジンだけですが、北米仕様には6気筒エンジンがあったり、中国向けには直噴ターボを用意したり、そして欧州にはディーゼルがラインナップされる予定になっています。そうしたグローバルモデルに共通するのが、2.5リッターガソリンエンジンということで、それだけ開発リソースを割くことができたのです。

2.燃費性能を向上させるため

いまやグローバルに燃費性能は重視されます。日本や欧州の測定モードは停止時間があるのでアイドリングストップやオルターネーターによるエネルギー回生は効果的ですが、レガシィ・アウトバックが主戦場としているアメリカ市場では、主にハイウェイモードでの燃費性能が求められるといいます。つまり走り続けているときの燃費性能を上げなくてはいけないのです。そのためには燃焼効率の改善が重要で、ヘッドといった大物パーツを新造する必要があったというわけです。

3.車格にふさわしい静粛性を求めて

スバルのフラッグシップモデルとなるレガシィ・アウトバック。フロントフードを開けるとわかりますが、エンジンカバーなどはついていません。つまり、エンジン自体の改良によって車格にふさわしい静粛性を実現したということです。そのためにオルターネータープーリーを小径化して補機ベルトの駆動音を小さくするといった工夫までなされています。ピストンの重心位置最適化も静粛性向上のためということ。静かな水平対向エンジンを実現するために部品の大幅な変更が必要だったといいます。

そもそも開発当初は8割ものパーツを変える予定はなかったというレガシィ・アウトバック。現代のクルマに求められる燃費、フラッグシップらしい静粛性を追求していく中で、予想以上の設計変更が必要になってしまった結果として、これほどまでに新造パーツを使うことになってしまったということなのです。

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