スバル新型レガシィがビルシュタインもアルミ製サスアームも使わない理由

clicccar / 2014年11月11日 19時3分

6代目へとフルモデルチェンジしたスバル・レガシィはセダンの「B4」とSUVの「アウトバック」と2つのラインから構成されています。

2.5リッター水平対向エンジンやリニアトロニックによるパワートレイン、フロント・ストラット&リヤ・ダブルウィッシュボーンからなるシャシーなど基本的なメカニズムは共通で、いずれも上級グレードとして『Limited』が用意されているのも共通しています。

さて、これまでのレガシィでは、スポーツグレード(Sパッケージ)には、黄色く塗られたビルシュタインのダンパーと、白銀のアルミ製ロアアームがインストールされているのが、ある意味でお約束でした。

レヴォーグやWRXといった最新モデルでも、その2つのアイテムは確認することができるので、スバルとしてビルシュタインやアルミ製ロアアームを否定しているわけではありません。

しかし、スバルのフラッグシップとして進化した新型レガシィにおいては、上級の「Limited」グレードにおいても、ビルシュタインのダンパーは使われていませんし、サスペンションアームもスチールのモナカタイプとなっています。

まずダンパーについて。上級「Limited」グレードでは、専用に『スタブレックス・ライド』というKYB製ダンパーを採用しています。

その特徴は、ピストン下のリーフバルブと接する面の形状を工夫することにより、ピストン速度の遅い領域で減衰力を一気に高めるようにしていることにあります。

ピストン速度の遅い領域というのは車体がロールしているようなシーンのことで、ビルシュタインを含めて通常のダンパーでは、この領域での減衰力を高めると、ピストン速度の速い領域まで比例的に減衰力が高くなりがちです。

一方、ピストン速度の速いシーンというのは荒れた路面を走り抜けるようなシチュエーションで、つまり乗り心地がコツコツとしてしまう傾向にあるというのです。

しかし、スタブレックス・ライドと名付けられたLimitedグレード用の足回りでは、ピストンスピードの速い領域と遅い領域で減衰特性を大きく変えることができるので、コーナリング時の安定性と荒れた路面での乗り心地を両立できるというのです。

実際、それほど荒れていない舗装路でも、二面性を持つというスタブレックス・ライドの効果は感じられるものでした。

そして、フロントのロアアームがスチールのモナカ形状(表裏の鉄板を溶接した中空構造)となっている理由は、強度と軽量化の結論といいます。

軽さを求めるのであればアルミ製のほうが有利に思えます。アルミの比重は鉄の1/3といわれるくらいです。しかし、強度や剛性といった要素は別問題です。今回のフルモデルチェンジではロアアームに横方向から力を入れたときの剛性を高めることを重要視、そのための最適設計を考えると、スチールの中空構造が有利なのです。

なお、ロアアームについては、後ろ側のブッシュを旧型と異なる横方向レイアウトとしたこと、振動を抑制する液封式ブッシュを採用したことなども大きな変更点となっています。

剛性面でいえば、複筒式ダンパーよりもビルシュタインのような倒立単筒式が有利ですが、新型レガシィでは複筒式ながら外筒径を太く(50.8mm→54.0mm)することで剛性を確保しているといいます。

たしかに、ビルシュタイン製ダンパーやアルミ製ロアアームといったパーツに比べれば地味な印象もありますが、あくまでも機能重視で開発した結果として、スタブレックス・ライドダンパーやスチール中空ロアアームが選ばれたといいわけです。まさに質実剛健なスバルらしいフラッグシップモデルのフットワークといえるのではないでしょうか。

clicccar

トピックスRSS

ランキング