エアバッグのリコール問題で揺れるタカタ、社長交代へ

clicccar / 2014年12月27日 8時3分

タカタが12月24日、エアバッグの巨大リコールを巡り、社長のステファン・ストッカー氏が取締役に退き、会長である高田重久氏が社長を兼務する人事を発表しました。

(出展 TAKATA)

今秋以降、大きな注目を集める事となったタカタ製エアバッグのリコール問題。

対象ブランドはGM、クライスラー、フォード、BMW、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、富士重などで、タカタ製のエアバッグが日本車のみならず、欧米の大手自動車メーカーでも大々的に採用されていた事が改めて浮き彫りとなりました。

これほどまでに一社の不具合が多くのクルマに拡大したのは、タカタの世界市場に於けるシェアが2割以上と高く、共通化された同社製インフレーター採用が進んでいたことに起因しています。


(出展 国土交通省)

現在インフレーターのシェアで競合するのは最大手の「オートリブ」と「ダイセル」、「タカタ」の3社程度で火薬を扱うハイリスクな部品だけに手を出すメーカーが少ないのが実情と言います。

今回の不具合はNHTSA(米運輸省道路交通安全局)が今年の10月20日に安全上の観点からリコール対象となっている米ユーザー向けに「直ちにリコールに応じるように」との緊急声明を発表したことから全米で大きな話題に。

おりしもNHTSAはGMの10年以上に及ぶ「イグニッション・スイッチ」の重大不具合隠蔽問題に関する情報開示の遅れで米国民から不信感を買っているようで、新聞報道などによると信頼を取り戻すのに苦心している状況とか。

そうした中、同局は当初不具合発生の傾向から米国の高温多湿な4地域限定で不具合調査を粛々と進めていましたが、その後急遽、原因が特定できないまま11月26日にリコール対象を全米レベルに拡大。 

日経新聞によればその背景には11月の中間選挙で大勝した共和党がオバマ政権叩きの格好の材料に今回のタカタ問題を利用、オバマ氏が共和党への対抗上、大規模なリコールで強硬姿勢をとらざるを得なくなったという事情が有ると分析しています。

そもそも自動車のリコール問題に関して、11月20日に開かれた米上院の公聴会で部品メーカーが呼び出されて答弁を求められるのは異例のこと。

米国としても自国の主要自動車メーカー3社が絡む問題であることに加えて、不具合に関連する自動車メーカーが広範囲に及ぶことから、共通化が進むインフレーターを製造した日本の部品メーカーに追求の矛先を向けたものと推測されます。

高田会長がメディアの前に未だ姿を見せず、説明責任を果たしていないなどの厳しい声が有るようですが、同社は会長名義で12月18日、米・独の主要紙にエアバッグが原因で亡くなった乗員や遺族への謝罪広告を掲載。リコール用対策品の生産能力増強に取り組んでいることなどを訴えています。

今回のリコール対象は調査目的を含めて全世界で2,000万台規模に達しており、もし全数リコールとなった場合、とても部品メーカー1社で補償できる筈も無く、少なくとも日本の自動車各社がバックアップする必要性が有りそう。

ちなみに今回の不具合の発端となったのはホンダ車。同社は世界で1,200万台を超える最大のリコール対象車を抱えており、1987年を皮切りにタカタをエアバッグの量産メーカーとしてこれまで育てて来た経緯も。

(出展 HONDA)

こうした状況を受けて日本自動車工業会の池史彦会長(ホンダ会長)は12月18日の記者会見で、タカタ製エアバッグのリコールが世界で拡大した問題について、「自動車の安全は一義的に完成車メーカーが全責任を負う」と述べ、タカタ任せにせず自動車メーカーが前面に立って問題を解決する考えを示しています。

一方、自ら申し出て24日に社長を下りたとされるステファン・ストッカー氏は1982年にロバート・ボッシュGmbHに入社後、同社の日本法人を7年間務めた経験を持っており、昨年2月にタカタに執行役員として迎えられたばかり。

今回の人事対応で米国の追求の手が緩む筈も無く、同社がこの先行き詰ってしまっては日本の自動車生産が立ち行かなくなるのは必至。

従って今後は国内自動車各社を代表する日本自動車工業会を主体に自動車各社が一致団結して今回のリコール対応に当たるのが望ましいと思われ、既に米国がそうしているように、オールジャパンで今回の問題に対処して行く必要が有りそうです。

■TAKATA Webサイト
http://www.takata.com/

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