マツダ越 (KOERU)のデザイン拠点はMRE(マツダR&Dヨーロッパ)だった

clicccar / 2015年10月21日 12時2分

皆さんはマツダにどのようなイメージを持っているだろうか?

恐らく世代によって様々だと思うが、その中でも比較的共通認識なのは“走りがいい”だろう。
そのキーワードで重要になるのが、広島、横浜、アメリカに続くマツダの第4の開発拠点である「MRE(マツダR&Dヨーロッパ)」だ。
設立は1990年と日本の自動車メーカーの欧州拠点としては古く、今年で25周年を迎える。


フランクフルト市内から北にクルマで30分ほどのオーバーヴァゼルと言う閑静な街に位置し、元々ロウソク工場だった約76,000㎡(東京ドーム約1.6個分)の敷地には、デザインスタジオ/整備場/各種試験室などが設けられ、現在は約100人のスタッフ(日本人は15~20人)が働いている。普段は非公開の施設だが、今回特別に見学させてもらった。

マツダの中でのMREの役目は大きく分けると「走り」と「デザイン」である。
走りの部分は、さすがに開発施設の撮影はNGだったが、排ガス計測施設やピットには、マツダ車以外のモデルも…。

ピットではサスペンションの調整や組み換えはもちろんエンジンの積み替えも可能だそうだ。排ガスに関しては、現在VWのディーゼル問題が話題だが、マツダでは新車時はもちろんリアルワールドでハイマイレージを重ねているモデルも定期的にチェックを行なっており、規制値をクリアしていることを確認しているそうだ。

これらの業務は日本でもできそうだが、わざわざドイツで行なう理由は?
まずはドイツの道路環境の良さだろう。MREの近くには速度無制限のアウトバーンはもちろん、高速ワインディング(タウナス)を含めた自然のテストコースが存在する。ドイツでは所定の手続きを取れば発売前のテストカーでも堂々と公道走行が可能。
つまり、テストコースではなくリアルワールドでの試験・評価が可能である。

もちろんテストの項目によっては外部のテストコースやニュルブルクリンクを使うこともあるが、基本は一般道がベースとなっている。

ちなみに多くのエンジニアにドイツの“クルマ環境”を体感してもらうために、駐在期間は短めなんだそうだ。
今回、評価道路の一部を、6(アテンザ)、3(アクセラ)、CX-5、MX-5(ロードスター)走行させてもらったが、アウトバーンから高速ワインディング、市街地までドイツの道路環境が凝縮されており、そんな場所でもどのモデルもマツダの考える「人間中心で操作に忠実な走り」であることを再確認。

デザインに関しては、かつては仕向け地に合わせて専用デザインを採用していた時期もあったそうだが、現在は「魂動デザイン」をキーワードとし世界統一となっている。
となると、欧州拠点の役割は何なのか? それは現地で感じる“空気感”である。

魂動デザインの根底は「クルマに命を与えること」である。
それには人の力、人の感性が大事となるため、そのためには「欧州から見た日本らしさ」、「欧州でもマツダを感じさせるデザイン」と言うように、違った視点から見る必要もあるのだ。

特別にクレイモデル製作現場も見学したが、クレイの塊に命が吹き込まれるのを目の当たりに。ちなみにフランクフルトショーで発表されたコンセプトカー「越 (KOERU)」はMREでデザインされた物だそうだ。

MREが設立して25年、これまでも多くの成果があったが、やはりCX-5から始まった新世代商品群が大きいだろう。
所長を務める猿渡健一郎氏は、「これまでも欧州に目を向いていたものの、これまでは車種ごとに注力していました。そのため、新世代商品群ではブランドとして一貫した哲学が必要で、どのモデルを買っても『マツダだよね』と安心してもらえる考え方に変えました。広島もドイツも同じ志で開発をしていますが、ライバルと同じ土俵の中で勉強すると言う意味では、今後もMREの価値は重要だと思っています」と語ってくれた。

(山本シンヤ)

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